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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年3月14日 No.3629 スクオディス・リトアニア運輸通信相と懇談

左から東原副会長、スクオディス大臣、髙島委員長

経団連の東原敏昭副会長・ヨーロッパ地域委員長と髙島誠同委員長は2月20日、東京・大手町の経団連会館でリトアニアのマリウス・スクオディス運輸通信大臣と懇談した。リトアニア側の発言概要は次のとおり。

日本とリトアニアは、価値観を共有する重要なパートナーである。2022年の日リトアニア首脳会談において、二国間関係を戦略的パートナーシップに格上げした。不透明性を増す国際情勢において、日本との協力関係を深化させていきたい。両国にとって隣国であるロシアは、第二次世界大戦以後、築き上げられた国際秩序を一方的に変えようと試みており、同志国が団結して対応することが求められる。

ロシアによるウクライナ侵略を受け、バルト地域および中東欧において、EU諸国との連結性強化の重要性が一層高まっている。交通分野では、現在、バルト3国を南北に縦断する鉄道計画「レール・バルティカ」が進められており、レール間隔を他のEU諸国と同じ標準軌にそろえ、将来的にはポーランドを経由してドイツとの接続を目指している。同計画は、EU諸国との鉄道輸送のみならず、NATO軍の展開においても重要な意味を持つ。30年完成予定だが、リトアニアはプロジェクトをさらに加速させたいと考えている。そのためには具体的な資金枠組みを提示し、民間投資を動員することが不可欠である。また、リトアニアの主要な輸出入拠点であるクライペダ港では、洋上風力発電パークの建設を計画しているほか、グリーン水素の生産も検討している。

15年に中東欧・バルト地域における連結性強化を目的として立ち上げられた中東欧13カ国による地域協力枠組み「三海域イニシアティブ」は、ロシア経由の輸送路およびエネルギー網を代替するインフラの整備を標榜しており、欧州委員会や米国も支援している。同地域のインフラ整備は、ウクライナ支援においても重要な役割を果たす。24年、リトアニアは三海域イニシアティブ議長国を務めており、4月に首脳会議およびビジネスフォーラムを主催する予定である。交通やエネルギー分野をはじめ、バルト地域・中東欧では、インフラ投資の機会が多く用意されており、日本企業による参入を強く期待する。

【国際経済本部】

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