経団連の髙島誠ヨーロッパ地域委員長、清水章同企画部会長らは2月5日、東京・大手町の経団連会館でスウェーデンのアンドレアス・ノレーン国会議長はじめ同国議員団一行と懇談した。経団連からは、スウェーデンに進出する企業が出席した。スウェーデン側の発言概要は次のとおり。
スウェーデンと日本は、基本的価値を共有する重要なパートナーである。両国はかねて自由貿易を推進し、その恩恵を受けてきた。ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序に対する重大な挑戦であり、世界全体に大きな影響を及ぼしている。日本政府のロシアに対する厳しい姿勢を評価している。欧州とアジアの安全保障は不可分であり、日本との協力関係を維持していきたい。
気候変動、高齢化社会やジェンダー平等といった共通の社会課題についても、スウェーデンと日本が連携を拡大する余地は大きい。特にグリーン分野では、カーボンニュートラル(CN)を実現するうえでイノベーションの創出が不可欠である。そのために両国は連携し、自由で開かれた市場を堅持することが重要である。スウェーデン企業は、水素や原子力といった分野で強みを持っており、気候変動対策を実際のビジネスにつなげていくことがCN実現のカギとなる。また、豊富で安価な電力を有しており、多くのICT分野の多国籍企業がデータセンターを構えているほか、水素製鉄など、消費電力や排出量の大きい分野の脱炭素化に向けた投資が多い。デジタル分野では、AIを活用することで、効率性を上げ、人々の生活水準を向上させることができる。適切な利用を確保するための共通ルールは必要だが、AIを脅威ではなく機会ととらえることで、可能性を広げることができる。
日本企業は、すでにさまざまな分野において、スウェーデンでビジネスを展開している。今後、スタートアップ企業を含め、スウェーデン企業と日本企業の連携が拡大することを期待している。
【国際経済本部】