経団連のウクライナ経済復興特別委員会(國分文也委員長)は12月21日、東京・大手町の経団連会館で第1回会合を開催した。岩田和親経済産業副大臣および辻清人外務副大臣から、11月のウクライナ官民ミッションの所感を含めそれぞれ説明を受けた後、今後の官民協力などについて意見交換を行った。両副大臣の発言の概要は次のとおり。
■ 岩田副大臣
同ミッションは、デニス・シュミハリ首相やユリア・スビリデンコ第1副首相をはじめ、ウクライナ政府や企業に対し、これまでの震災復興等の経験と高い技術をもとに、日本企業が「日本ならでは」の復旧、そしてその先の経済復興に大きく貢献できることを示す貴重な機会になった。
ウクライナ側からは、当面の復旧のみならず、海外からの投資の促進や稼げる産業作りへの日本の協力に強い期待が寄せられた。また欧州連合(EU)加盟を見据え、農作物・エネルギー・工業品をEUに輸出することを目指しており、そのためのサポートをしてもらいたいとの要望があった。
ウクライナ政府との会談に加え、ウクライナ商工会議所所属企業などとビジネスマッチングも行った。ウクライナ側からは100人以上が参加し、参加した日本企業の事業について熱心に質問するとともに、個別の面談も多く実施されたと聞いている。
今般の訪問を契機として、2024年2月19日に予定している日ウクライナ経済復興推進会議(復興会議)では、新たな協力案件の組成につなげてもらいたい。引き続き官民で連携し、ウクライナの復旧、経済復興支援に取り組みたいと考えている。皆さまの積極的な参画を期待している。
■ 辻副大臣
同ミッションで外務省は、安全の確保を第一に重視した。ウクライナ側と慎重に調整を重ね、厳重な警備態勢をとってもらった。
ウクライナ訪問中は、シュミハリ首相を中心に各要人と面会し、復興会議に向けて議論した。
また、日本製の地雷探知機等の機材供与式を行った。同式典には、スビリデンコ第1副首相、イゴール・クリメンコ内務大臣が出席した。ウクライナ側からは、これまでの日本の支援に対する感謝、戦後復興・震災復興の知見や経験への関心、そして日本の民間企業がウクライナの復旧・復興に参加することへの強い期待が述べられた。
同ミッションで得られた大きな成果を土台に、復興会議の場で、日本が官民一体となってウクライナを支える姿、ウクライナの復旧・復興には国が官民の別なく取り組んでいる姿を内外に力強く示すべく、経済界との連携を一層強化したい。
すでにウクライナ側との協力を進めている企業はその成果を発表する機会として、また、これからウクライナでのビジネスを検討している企業はその端緒として、復興会議を活用してもらいたい。ウクライナの復旧・復興には、政府のみならず民間企業の積極的な関与が不可欠である。
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同会合の後半では、欧州復興開発銀行、外務省国際協力局、日本貿易保険、国際協力銀行から、ウクライナ向けファイナンスについて説明があった。
【国際経済本部】