経団連は12月25日、「上場企業役員ジェンダー・バランスに関する経団連会員企業調査結果」を公表した。
政府は、(1)2030年までにプライム市場上場企業役員に占める女性の割合を30%とし、25年までの中間目標として同19%とする(2)25年までにプライム市場上場企業のうち、女性の役員が登用されていない企業の割合を0%とする――としている。この役員の概念には、取締役、監査役、執行役に加えて、会社法上は任意の役職であるが、各企業が女性登用目標の前提とした執行役員またはそれに準じる役職者も含むことができる。
同調査は、東京証券取引所のプライム市場・スタンダード市場に上場(23年10月現在)している経団連会員企業全社を対象として、有価証券報告書等で調査可能な会社法上の役員(会社法上の取締役、監査役、執行役)の状況をまとめた。これによれば、プライム市場上場企業役員に占める女性役員の割合は13.3%、経団連会員では14.1%、経団連が展開する「2030年30%チャレンジ」に賛同する224社のうち、プライム市場に上場する150社では17.6%に達した(図表参照)。
また、プライム市場上場企業のうち、女性が登用されていない企業は、11.0%だったが、経団連会員企業では5.2%だった。同チャレンジに賛同するプライム市場上場150社では98.0%が女性役員を登用しており、執行役員を含めるなどすると、全社が女性役員を登用していた。
同調査によって、経団連会員企業が女性役員の登用を牽引していることが示された一方、(1)市場における独立社外役員の登用要請と相まって女性の社外役員の登用は進んでいるが、相対的に社内の女性幹部の役員登用が進んでいない(2)業務執行の責任者である執行役での女性登用が進んでいない(3)業種・業態によって登用の進捗に差がある――といった課題も明らかとなった。
経団連では、引き続き、キャリアステージに応じた研修やメンター制度などを積極的に展開し、タレントパイプラインの強化に努めるとともに、女性登用の進んでいない業種・業態に対する支援および働きかけを強化し、底上げを図っていく。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】