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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年1月1日 No.3619 ヘリ駐日インドネシア大使と懇談 -インドネシアの政治・経済の見通し、日尼経済協力のあり方をめぐり議論/日本・インドネシア経済委員会

ヘリ大使

経団連は12月6日、東京・大手町の経団連会館で日本・インドネシア経済委員会(垣内威彦委員長、柿木真澄委員長)を開催した。ヘリ・アフマディ駐日インドネシア大使から、2024年のインドネシアの政治・経済の見通しや今後の課題、日尼経済協力の可能性について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 成長に向けて経済構造を変革

24年の世界経済の見通しについて、世界経済フォーラム(WEF)によれば、約60%のエコノミストが弱含むと予想している。そうしたなか、インドネシアは、世界第4位の人口と中間層の拡大、豊富な若年労働力から、今後も5%程度の経済成長を見込む。構造改革にも注力している。グリーン・低炭素化政策としては、太陽光発電を中心に、発電量の20%を再生可能エネルギーに転換する戦略をとっている。また、ニッケル等の鉱業の川下部門において、中間財等の高付加価値製品を生産するなど、経済構造を系統立てて変革し、持続可能な社会を構築していく。

大統領選挙が24年2月に行われ、10月に新政権が発足する。政権移行期間中、企業が様子見をして投資等が滞ることが経済の下振れリスクとして懸念される。ただし、現在、大統領選挙のすべての候補者が、ジョコ・ウィドド大統領とほぼ同一の経済政策を打ち出しており、経済的な混乱は想定されない。

■ インドネシアと日本の戦略的機会

インドネシアは、重要鉱物、とりわけ、エネルギートランジションに必須となる天然資源に恵まれている。それらを最大限活用することで、自国の発展のみならず他国のエネルギー移行をサポートしていきたいと考えている。それはアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)にも資するだろう。

戦略的投資分野として、労働集約型産業、輸出主導型産業、再エネ、インフラ、デジタル経済、天然資源に付加価値を与える産業を位置付けており、これらの分野への日本企業からの投資を期待している。そのほかの投資に関しても、総額128億ドルとなる69の持続可能なプロジェクトを準備しているので、検討してほしい。また、新首都ヌサンタラプロジェクトを推進している。近々、大統領府・内閣府がヌサンタラへ移転する予定で、12のプロジェクトが公式に決定済みである。投資機会を検討してほしい。

23年は、日尼外交関係樹立65周年の節目であり、天皇皇后両陛下がインドネシアを訪問された。また、22年から首脳会談が4回開催されるなど、両国の関係は大変良好である。今後も経済分野はもとより、安全保障分野等を含め、二国間関係を積極的かつ重層的に強化していきたい。

【国際協力本部】

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