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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年3月9日 No.3582 インパクト投資に関する検討状況 -金融・資本市場委員会資本市場部会建設的対話促進ワーキング・グループ

西田氏

経団連は2月14日、金融・資本市場委員会資本市場部会建設的対話促進ワーキング・グループ(銭谷美幸座長)をオンラインで開催した。金融庁総合政策局総合政策課サステナブルファイナンス推進室の西田勇樹室長から、金融庁におけるサステナブルファイナンスやインパクト投資に関する検討状況等について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ サステナブルファイナンスの検討

海外を含む金融当局でも、サステナブルファイナンス(経済社会の持続可能性を高める金融)を議論する動きが急速に高まっており、金融庁でもこの数年の間、集中してキャッチアップしてきた。2021年6月、「サステナブルファイナンス有識者会議」が報告書を公表した。そのなかでは、企業、金融機関、アセットオーナー等の協働が進みやすいような投資・調達環境の整備の重要性を指摘している。特に、投資家や金融機関が企業を理解し、企業が取り組みを再点検するためにも、企業開示の充実を重要な点として挙げている。

この報告書を基礎に、金融庁としてもさまざまな施策を進めてきた。例えば直近では、22年12月に、企業と投資家の間に立って投資情報の集約等を行うESG(環境・社会・ガバナンス)評価機関に対する行動規範を取りまとめた。包括的な取り組みの推進が重要と考えている。

■ インパクト投資への期待

企業の取り組みの全体というよりも、特に、投資による具体的な変化・効果を特定し、とらえていくのがインパクト投資と考えている。

20年6月から勉強会を開催しているが、さらに取り組みを加速するため22年、金融庁に検討会を立ち上げ、議論を進めている。海外でも投資が伸びているが、投資家へのアンケートでも日本の残高は伸びる余地が大きいとの声がある。一方で、インパクト投資の標準形がわからない、案件事例が共有できていない、実施する運用機関の数が少ないといった指摘がある。検討会では、インパクト投資の基本的な考え方やポイント等を取りまとめる、事例を共有するなど、対応策について議論を進めている。

■ 今後の検討の方向性

具体的な内容はこれからだが、グリーントランスフォーメーション(GX)を含めイノベーションが重要となるなかで、(1)ポジティブに変化をとらえられる(2)投資による意図や効果が明確である――などの意味で期待感がある。いくつかの好事例も生まれてきている。金融機関・投資家と企業との対話のなかでインパクトを発見したといった話も聴いている。

企業側でもパーパス経営などが進められている。事業のインパクトを示すことで、資金調達時のストーリー、調達手法等とうまく調和する可能性もあるかもしれない。人材育成やデータ環境の整備、ノウハウや事例共有等も重要と考えている。いずれにせよ、インパクト投資の要件等、海外の指針や事例も踏まえつつ、検討を深めていきたい。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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