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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年7月7日 No.3551 規制の一括見直しプランに関するオンライン説明会を開催

デジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)は6月3日に第4回会合を首相官邸で開催し、経団連の「Society 5.0の扉を開く~デジタル臨時行政調査会に対する提言」(2022年4月12日公表)も踏まえ、「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」を取りまとめ、公表した。

そこで、経団連は6月17日、「規制の一括見直しプランに関するオンライン説明会」を開催し、小林史明デジタル副大臣兼デジタル臨調事務局長、松田洋平デジタル庁参事官から、同プランや今後の改革の進め方等について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 小林副大臣説明(デジタル臨調による改革の推進)

小林副大臣

小林副大臣は、「日本の過去20年間を総括すると、実質GDPの成長や個人の収入が伸び悩んだ原因は、デジタルを受け入れない法律や社会の慣習により、IT分野以外の生産性が向上しなかったことにある」と指摘した。

そのうえで、「生産性の向上や人手不足の解消、新産業の創出を実現するには、既存のルールに合わせる考え方を転換し、自由な発想によってルールをデザインすることが必要である。集中改革期間(22~25年)の3年間でアナログ規制を一掃し、『ルールは変えられる』という成功体験を共有できるようにしたい」との決意を表明した。一方、経団連に対しては、「デジタル臨調は、経団連をはじめとする経済界と共に新しいルールをつくるための取り組みである。『デジタル臨調による改革が必要』という機運を一層高めるべく、声を上げて応援してほしい」と後押しを呼びかけた。

■ 松田参事官説明

(1)規制の一括見直しプランの概要

法律から通知・通達に至るまで計4万もの条項等がデジタル臨調による見直しの対象である。デジタル臨調がこれまでに洗い出した約5000条項の法律・政令・省令のうち、同プランでは第1弾として約4000条項の見直し方針を確定した(6月7日、同方針が盛り込まれた「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定)。残りの約1000条項については22年9月末までに規制所管府省庁と協議し、年内に方針を確定する予定である。

見直しや技術検証が完了し、対応可能となった規制から順次一括法に盛り込み、23年から25年の通常国会への提出を目指す。

(2)経済界の要望への対応

デジタル臨調では、経団連をはじめとする経済界からの要望等を計1900件に整理した。これら要望については、類型化や先行事例の構築を経て、22年末を目途に見直し方針を決定・公表する予定である。

デジタル臨調では、関係府省庁の協力も得ながら、デジタル技術の内容やどの企業等が当該技術を保有しているか等、導入に向けて必要な情報を把握するため、今後、個々のテクノロジーにかかる「デジタル技術カタログ」を作成していく。企業の皆さまにもぜひ協力と活用をお願いしたい。

◇◇◇

デジタル化を阻害するアナログ規制の包括的かつ横断的な見直しは初の試みであり、経団連としても高く評価する。しかし、見直しプランはあくまで一つの区切りにすぎない。日本の社会全体の仕組みを根本的に変革し、デジタルベースに転換するには、集中改革期間を前倒しする覚悟により、必要な法令改正を完遂する必要がある。

経団連は、提言の個別要望を年末の見直し工程表に反映させるとともに、同プランが着実に実行されるよう、デジタル臨調をはじめ関係方面に引き続き働きかけていく。

【産業技術本部】

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