9月29日、東京・大手町の経団連会館で全国証券大会が開催され、経団連金融・資本市場委員会の委員長である國部毅副会長が来賓あいさつを行った。全国証券大会は日本証券業協会、全国証券取引所協議会、投資信託協会の3団体が証券界として今後取り組むべき具体的方策について所信を表明する場であり、例年、政府の金融担当大臣、日本銀行総裁、経団連の幹部が来賓として出席している。
今年度は、証券会社や金融機関関係者など約600人が参加するなか、國部副会長のほか、越智隆雄内閣府副大臣(麻生太郎副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣の代理出席)、黒田東彦日本銀行総裁があいさつを行った。
國部副会長は、わが国経済の再生に向けた重要課題として、「新技術の活用や既存産業の成長産業化を通じた新たな有望市場の創出」「働き方改革による生産性の向上」「財政健全化と社会保障制度改革の実現に向けた働きかけ」を挙げ、そのために必要な取り組みを述べた。
また、金融・資本市場の活性化に向けた重要課題として「企業と投資家との対話の深化」「国民の安定的な資産形成とそれを通じた企業への成長資金の供給」を挙げた。コーポレートガバナンス・コードおよびスチュワードシップ・コードへの対応を収益力の強化と、企業と投資家との信頼関係の強化につなげ、実効性を高めていくことが必要との認識を示し、金融庁や機関投資家との意見交換の場を設けるなどの経団連の取り組みを紹介した。また、経団連が政府の税制改正要望においてNISAやジュニアNISAの恒久化を求めていることを紹介したほか、金融教育などの地道な取り組みを通じて金融リテラシーを向上させることが重要であると述べた。
【経済基盤本部】