経団連の榊原定征会長は23日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
榊原会長は、先日取りまとめられた「日本再興戦略2016」の素案について、GDP600兆円経済の実現に向けた大きな一歩であり、経済界の提言を迅速に反映した、新しい10のプロジェクトが盛り込まれことを高く評価した。これらは、30兆円規模の市場創設が期待される事業であり、特に第4次産業革命の重要性に言及。今後は具体的施策の実行と予算確保がカギであるとして、官民一体で強力に推進するため、経済界も全面的に協力していくと述べた。
また、中長期的に、民主導の経済成長を実現していくためには事業環境の整備が不可欠として、設備投資を80兆円規模に引き上げていくには、法人税改革、研究開発促進税制、電力コストの低減などに取り組み、国際的な事業環境のイコールフッティングの確保が必要であるとした。加えて抜本的な規制改革も重要として、法人税改革やTPPの推進等の課題の解決を訴えた。経済界としても、政府与党との政策対話を通じ政策実行を働きかけていくことを表明。日本経済のファンダメンタルズは弱いわけではなく、事業環境の整備を地道に進めれば経済は必ず活性化すると述べた。
次に、1-3月期のGDP速報値について、年率換算プラス1.7%で消費もプラスになるなど明るい材料もあるが、まだまだ力強さに欠けるとし、消費を刺激し消費主導の経済成長を推進するには、需要の創出が重要であると強調。消費増税をめぐる政治判断にかかわらず、需要喚起に向けて、小出しではなく思い切った規模の財政出動が必要との認識を示した。
新スケジュールに基づく採用選考活動については、昨年より広報活動期間は短くなったが、全体的には学生にマイナスになっていないとしつつ、今まさに活動が行われており、注意深く見守っていきたいとした。今後、折を見て企業、大学など関係方面に十分にヒアリングやアンケートを行い、変更の影響をしっかり把握したいとの考えを示した。
【広報本部】