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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年2月18日 No.3258 三鷹中央学園を訪問 -コミュニティ・スクールの意義や課題を聞く/教育問題委員会企画部会

経団連の教育問題委員会企画部会(三宅龍哉部会長)は1月26日、東京都三鷹市の三鷹中央学園を訪問し、三鷹市の高部明夫教育委員会教育長、秋山純子三鷹中央学園長、三鷹中央学園コミュニティ・スクール委員会(以下CS委員会)の立木正会長らと懇談、コミュニティ・スクール(注1)を基盤とした小・中一貫教育の効果や学校・保護者・地域が協働して推進する学校経営の意義、課題等について説明を聞くとともに意見交換した。その後CS委員会を傍聴し、課題解決に向けた「熟議」(注2)による活発な議論の様子を見学した。

■ 「地域とともにある学校」づくりの実践を通して

三鷹市の教育施策を説明する
高部・三鷹市教育委員会教育長

「熟議」の結果を共有する三鷹中央学園CS委員会

三鷹市では、10年程前から7つの中学地区を単位とした小・中一貫教育に取り組んでおり、三鷹中央学園は、同市上連雀にある第三小学校、第七小学校、第四中学校が連携した小・中一貫校として2008年4月に開園した。三鷹中央学園CS委員会は、学園の運営を円滑に推進するために必要な事項を協議する機関として設置された。

こうした取り組みを推進してきた三鷹市教育委員会の高部教育長は、「子どもたちが主体的な学びを通じて、知識のみでなく判断力や創造力を身につけるためには、授業のほかに、健全な生活習慣や多様な学習機会等が必要で、学校・家庭・地域それぞれが役割を持ち、協働して学びの環境づくりに取り組むことが重要」と述べた。

続いて秋山学園長・第四中学校長は、地域ぐるみで取り組む学園独自の防災プロジェクトにおいて、生徒たちが地域から学び、地域を支える若い担い手としても、たくましく育ってきていることを紹介し、地域による学びの支援の重要性を強調した。

また、同学園副学長を務める佐伯孝司第三小学校長は、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育の取り組みと効果について説明し、「相互乗り入れ授業、学園学習ボランティアによる放課後の補習等の取り組みにより、地域と学校および学校間の交流・連携の強化、不登校の出現率の減少、教職員の意識改革、授業力や学習意欲の向上などで成果が出ている」との認識を示した。

最後に、CS委員会委員を務める四柳千夏子氏がコミュニティ・スクールへの地域の関わり方について説明。「学園の目指す方向を学校側と共有し、保護者・地域の声を反映した学校運営となっているか、学校や子どもたちの課題は何か、その解決に向けて自分たちは何ができるかを常に考えて支援を行っている」と述べた。

意見交換では、「企業が協力できることは何か」との質問に対し、秋山学園長は、「プロに出会うことは子どもに大きなインパクトを与える。また、キャリアを知ることは子どもが生き方を考えることにつながっていく」と述べ、企業人が出前授業などを通じて直接子どもたちに仕事の魅力や働くことの意義を教えることへの協力を求めた。

■ 「熟議」で果たすべき役割の理解を深める

その後行われたCS委員会では、「より良い組織・活動を目指して」をテーマに6人ほどが1つのグループとなり、熟議を通じて活発な意見交換を行った。各グループからさまざまな意見が出されたが、共通した課題としては、学校・保護者・地域それぞれが担う役割をいま一度明確にすることの必要性が指摘された。

(注1)コミュニティ・スクール=教育委員会の指定により、保護者や地域の代表から成る「学校運営協議会」を設置している学校。現在、全国の小・中・高合わせて2389校(全体の約7%)が指定を受けている

(注2)熟議=多くの人の意見を反映できるよう「熟慮」と「討議」を重ねながら課題解決を目指す対話を指す

【教育・スポーツ推進本部】

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