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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年1月1日 No.3252 デンマークの製薬企業の社会貢献活動の取り組み聞く -社会貢献担当者懇談会

経団連は11月30日、東京・大手町の経団連会館で社会貢献担当者懇談会(金田晃一座長、山ノ川実夏座長)を開催し、デンマークの製薬メーカーであるノボ・ノルディスク社のスザンヌ・ストーマー副社長から同社の社会貢献の取り組みを聞いた。説明の概要は次のとおり。

説明するストーマー氏

われわれの社会貢献活動は、社会のさまざまな主体とパートナーシップを組むやり方へと進化させてきた。パートナーシップを組むことで、より大きな目標を達成できるようになり、プログラムの持続性が高まる。目指すところが同じであれば、ビジネスでは競合する医薬メーカーともパートナーになれる。

われわれは糖尿病の子どもや妊婦に対し、各国の地域組織を通じて自社製品である医薬品を提供するプログラムを展開してきた。社会貢献なので直接的な利益は出ないものの、当社に対する社会の評価が上がり、「提携したい」「働きたい」と思える企業になるといった、会社にもたらされる副次的な効果を念頭に置いている。

また、このほかにも行政と連携してマレーシアで糖尿病予防プログラムに取り組んできた。その結果、行政の信頼を得られたことも、副次的な効果の一例といえる。

さらに、BOP(ベース・オブ・ピラミッド)ビジネスの領域でも、デンマーク系のNGOと連携して途上国で活動を展開している。これは過疎地の貧困層に対し、糖尿病の啓発や診断、継続的な薬の提供などを一体的に実現するプログラムだ。ビジネスの手法を取っているのは、課題解決を持続可能なかたちで実現するための工夫である。

<質疑応答>

― 今後のパートナーシップ強化の見通しは。

豊富な科学的知識を有する大学と、社会との接点が強い企業とは補完関係になれる。また、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に合意した国々では、行政が目標達成に向け取り組む必要が出てきたので、より連携を求めてくるだろう。ただし行政が独自に取り組み、その財源を企業に求めるよりは、企業自体がその強みを活かしてパートナーシップを組んだほうが効率的だ。

― 国の事情にあわせプログラム展開を変える工夫はあるのか。

行政機能は国ごとに異なるため、保健プログラム作成を行政に任せられる国、企業がプログラムをつくる国とさまざまである。また、各国の成果や教訓をフィードバックして、他の国では改善して展開することもある。

― 副次的なインパクトを測定する手法は。

われわれの場合は、受益者数を測定することにより、長期的なマーケット拡張につながったことを試算している。

【政治・社会本部】

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