1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2015年10月29日 No.3244
  5. TICADⅥに向けた取り組みについて聞く

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年10月29日 No.3244 TICADⅥに向けた取り組みについて聞く -サブサハラ地域委員会

経団連は16日、東京・大手町の経団連会館でサブサハラ地域委員会(野路國夫委員長、加瀬豊委員長)を開催した。外務省の植澤利次アフリカ部審議官ならびに国際協力機構(JICA)の江口秀夫アフリカ部長から、第5回アフリカ開発会議(TICADⅤ)のフォローアップの状況ならびにTICADⅥに向けた取り組み等について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ TICADⅥの開催に向けて(植澤氏)

TICADは、1993年以降5年ごとに日本で開催してきた。次回以降は3年ごとの開催となり、TICADⅥは、来年初めてアフリカでの開催となる。開催地はケニアに決定したが、開催日時は現在調整中である。

TICADⅥでは、2013年のTICADⅤ以降に生じたアフリカの諸問題に焦点を当てる。具体的には、エボラ出血熱等の感染症、ボコ・ハラム、アル・シャバーブ等のテロ問題、国際資源価格の暴落等のアフリカが直面する状況を踏まえた対応が必要となる。TICADⅥで議論される内容としては、例えば、(1)アフリカの構造改革(2)インフラ整備(3)人材育成(4)平和と安定――の4つが大きな方向性となろう。

今後の対アフリカ外交を考えるにあたり、民間との連携は不可欠である。経団連からTICADⅥに向けた提言をいただくとともに、今月末に開始する「TICAD官民円卓会議」で企業から知恵をいただき、それを実行に移していきたい。

■ JICAの取り組み(江口氏)

前回のTICADⅤを踏まえて、JICAでは、アフリカにおける(1)強固で持続的な経済(2)包摂的で強靭な社会(3)平和と安定――の3本柱の実現を目指し、取り組みを進めている。

このうち、アフリカの経済成長の促進に向け、JICAでは、(1)アドバイザー派遣、マスタープラン調査、技術協力・円借款といった政策支援(2)生産性向上、職業訓練等の人材育成(3)道路・電力、水等のインフラ整備(4)規制や税関手続等の簡素化等のビジネス環境整備に対する支援――を行っている。

例えば、TICADⅤの公約であった、「戦略的マスタープラン」については、現在、「北部回廊・モンバサ港」「モザンビーク・ガスバリューチェーン」をはじめ9カ所で策定に向けて取り組んでいる。また、人材育成に関しては、ウガンダ、セネガル等での「産業人材育成センター」の設置や、アフリカからの留学生に対して修士レベルの教育と企業へのインターンを実施する「ABEイニシアティブ」等の取り組みを進めている。

TICADⅥに向けて、JICAとしては、産業人材の育成、ビジネス環境の整備、インフラ開発、農業・環境の推進、感染症対策、平和と安定等の取り組みが必要と考えている。

経済界には、インターンシップの受け入れ等のABEイニシアティブ(アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ)への一層の協力、産業人材育成センターとの連携促進、無償資金協力案件や円借款案件への協力等をお願いしたい。

【国際協力本部】

「2015年10月29日 No.3244」一覧はこちら