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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年5月14日 No.3223 OECD-経団連貿易投資セミナーを開催 -コネクティビティ強化に向けた貿易・投資政策のあり方など探る

経団連は4月15日、東京・大手町の経団連会館でOECDと「貿易投資セミナー」を共催した。経団連会員企業・OECD・日本政府の関係者ら約120名が出席した。

あいさつする斎藤副会長・
OECD諮問委員長

来賓あいさつする中根
外務大臣政務官

基調講演を行うグリア
OECD事務総長

経団連では昨年2月、わが国のOECD加盟50周年にあたって「グローバル化時代のOECDのあり方に関する提言」を取りまとめ、OECDの強化すべき機能として、客観的なデータに基づく政策決定・実行の支援、各国・地域のベストプラクティスの共有等を指摘した。これに関連しOECDでは、価値がどの国で生み出され、付加され、最終的に消費されたかを示す統計(TiVA=付加価値貿易統計)、サービス貿易を制限している国内規制を数値化した指標(STRI=サービス貿易制限指標)、投資環境の改善に向けて採用すべき政策措置のチェックリスト(PFI=投資のための政策枠組み)などを作成・公表するとともに、拡大する地域貿易協定の内容を横断的に分析し、それらを多国間のルールづくりに発展させていく可能性を検討している。

セミナーでは、これらOECDの取り組みを紹介しつつ、コネクティビティの強化に向けた貿易・投資政策のあり方やグローバル・ルール形成の道筋を探った。

主催者を代表して開会あいさつした経団連の斎藤勝利副会長・OECD諮問委員長は、経団連の上記提言に言及したうえで、「日米欧3極が関係するメガFTA/EPAが実現すれば、ドーハラウンドが行き詰まり滞っていた世界の貿易投資をめぐる秩序づくりに大きな影響がある。その意味で2015年は画期的な年になるかもしれない」と指摘し、セミナー開催の意義を強調した。

来賓としてあいさつした中根一幸外務大臣政務官は、メガFTA/EPA等の経済連携交渉が重要な局面を迎えることに加えて、今年が戦後70年、サミット発足40年、さらにはWTO設立20周年という節目の年に当たっていること、今年6月に開催予定のOECD閣僚理事会において、投資が重要な議題となっていることを挙げ、セミナーの開催が時宜を得たものであると指摘した。また、先進国としての共通のスタンダードの普及やビジネス環境の整備は、日本企業の経済活動を後押しし、日本経済、ひいては世界経済全体の成長にも資すると強調した。

続いて、OECDのアンヘル・グリア事務総長が基調講演を行い、「日本経済が強固で持続的かつ包摂的な成長を遂げるためには、大胆な構造改革が必要。貿易投資の促進、すなわち世界経済へのより深い統合は、その中心的な課題である。特にサービス部門の生産性の向上と農業部門の市場指向的な改革が、貿易立国日本の競争力向上に不可欠」と強調した。

基調講演後のパネルディスカッションでは、「コネクティビティの強化=貿易が果たす役割」「コネクティビティの強化=投資が果たす役割」「地域貿易協定・分野別プルリ協定と多角的自由貿易体制」をテーマに、OECD、WTOおよびわが国の産官学の関係者による活発な議論が行われた。

【国際経済本部】

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