経団連は4月23日、都内で有期雇用の無期転換ルールに関する特例制度説明会を開催し、212名が参加した。
2013年4月施行の改正労働契約法は、有期契約が反復更新され、通算契約期間が5年を超えた場合に、労働者に無期契約への転換申込権が発生する仕組みを規定している(無期転換ルール)。同ルールに関して、通算契約期間の特例を認める「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(有期特措法)が今年4月1日に施行され、行政において特例認定の申請受付が開始された。
説明会では、厚生労働省労働基準局の村山誠労働条件政策課長、中山・男澤法律事務所の中山慈夫弁護士から次のとおり説明があった。
■ 「無期転換ルールの特例制度について」
村山労働条件政策課長
有期特措法による特例制度は、(1)年収および専門能力の要件を満たし、一定期間内に完了する業務(プロジェクト)に従事する高度専門職(第一種)(2)定年後、継続雇用される高年齢者(第二種)――を対象としている。特例適用を希望する事業主は、対象労働者に関する雇用管理計画を作成し、本社・本店を管轄する都道府県労働局に申請することが必要となる。特例認定を受けると、高度専門職はプロジェクトに従事している期間(上限10年)、高齢者は定年後引き続いて雇用されている期間、無期転換申込権が発生しない。なお、申請書作成にあたっては、雇用管理の内容について関係する労働者の理解を得られるよう努めていただきたい。
■ 「特例申請に向けた準備と留意点」
中山弁護士
特例適用を希望する事業主は、特例の取り扱いに関する規定を就業規則に追加することが望ましい。あわせて個別契約書において契約更新の基準(勤務成績、勤務態度、業務遂行能力、健康状態等)を明記し、特例の対象労働者に示しておくことも肝要である。また、特例対象の高齢者をいったん雇止めし、一定期間経過後(6カ月未満)にあらためて有期雇用する場合について、行政は、特例対象から外れ、雇止め前の契約期間は通算されると解釈している。この点、異論はあるが、再雇用が見込まれる場合には、それまでの期間も契約(無給)を継続するといった対応が考えられる。
【労働法制本部】