経団連は17日、「グローバル人材の育成・活用に向けて求められる取り組みに関するアンケート」の集計結果を公表した。前回調査(2011年)に引き続き2回目となる同調査は、事業活動のグローバル化を踏まえた企業の求める人材像やグローバル人材の育成・活用に向けた取り組み、教育機関への期待等を把握し、今後の活動に反映させることを目的にしたもの。経団連会員企業および地方別経済団体加盟企業463社から回答を得た。概要は次のとおり。
■ 事業活動のグローバル化とグローバル人材に求める素質・能力
中期経営計画で目指すグローバル事業展開の類型については、製造業では「グローバル最適型(研究開発・商品企画、調達等をグローバルに見て最適な拠点で実施)」が最も多く、経団連会員では5割に達した。今後は、最適な人材配置のために世界の拠点間で交流を進めようとする意向がうかがえる。非製造業では、経団連会員で「海外拠点・店舗展開型」(海外店舗の設立等で海外事業を展開)が最も多かった。
グローバル事業で活躍する人材に求める素質、知識・能力としては、前回調査で3番目であった「海外との社会・文化、価値観の差に興味・関心を持ち、柔軟に対応する姿勢」が最も多く、グローバル社会で活躍するためには、多様性への理解や寛容性が重要との認識が広がったことがうかがえる(図表1参照)。
■ グローバル人材育成に向けた教育機関への期待、産学連携の取り組み
グローバル人材育成に向けて産業界が大学に期待する取り組みとしては、経団連会員では「日本人学生の海外留学の奨励」や「外国人留学生の受入れ拡大に向けた取り組み」が上位となり、双方向の留学生交流拡大への期待が高い(図表2参照)。初等中等教育に期待する取り組みとしては、「児童・生徒のコミュニケーション能力、発信力の向上」(87%)、「国語教育や日本の歴史・文化等に関する教育を推進」(58%)を挙げる企業が多かった。
現在実施している産学連携の取り組みでは、回答企業の9割以上が「大学生のインターンシップの受け入れ」を挙げる一方で、「求める人材育成に向けて、大学のカリキュラム開発に協力・参加」は15%にとどまり、大学と企業のより積極的な連携を推進するためには、両者をつなぐ何らかの仕組みが必要であることがうかがえる。
※詳細は http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/028.html を参照
【社会広報本部】