「強い組織・熱い職場をつくる―たゆまざる改革と創造のチェンジ・リーダーを目指して」を総合テーマに横浜を出港した、第49回経団連洋上研修団の一行が11月30日、8日間の日程を終え帰国した。今回は、全国の企業・団体から管理・監督者151名が参加。船内研修で、教育・研修に通じた企業のコーディネーターの指導のもと、組織力の強化やあるべき管理・監督者の行動について、グループ別討議を行うとともに、寄港地である台湾で企業を訪問し、活気ある台湾の実情を視察した。
船内で参加者は五つの班に分かれ、さらに6~7人でグループ討議を実施。参加者が職場で直面する課題を洗い出して討議テーマを絞りこみ、班内発表会で討議経過を中間報告。続いて各テーマに沿って職場の「いまの姿」と「あるべき姿」を検討し、克服すべき課題とその解決策等を話し合い、管理・監督者として今後どう行動すべきか、アクションプランを短期・中長期に分けて策定。再度、班内発表会で報告し、投票によって全体の研修報告会で発表する代表グループを決定した。
各グループから出された討議テーマには、職場のコミュニケーション不足の解消、情報の伝達や共有の仕方、人材育成などが多くみられた。
討議過程でさまざまな示唆と助言を与えるのが、アドバイザーや講師による講義。特別講演では、川村隆名誉団長(経団連副会長、日立製作所会長)が「私の経営理念」と題し、インフラ整備と情報システムを結びつけるような事業イノベーションの大切さ、世界で評価される日本企業の特徴を継承しつつ進めるグローバル化など、企業が目指すべき方向性について示唆があった。また、リーダーとして、時間の2割を人材育成に割くよう勧めるとともに、地道な仕事を続けるなかで能力の覚醒が起きると述べ、チャンスが到来したときには臆せずつかむようにと激励した。
このほか、野田稔・明治大学大学院教授、浜田正幸・多摩大学教授、柿内幸夫・慶應義塾大学特別招聘教授、佐藤寿JR東日本総合研修センター運輸研修部長らによる実習を交えた講義が行われた。
寄港地の台湾では、国瑞汽車、台湾高速鉄道、和椿科技、フランツおよび遠東百貨店メガ・シティを訪問し、工場・職場見学や意見交換を通じて、躍進を続ける台湾企業の実情を視察した。
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研修最終日の総括報告会では、「非日常な環境で自分を見つめ直すことができた」「自分と同じ立場の人逹と話すことで多くの気づきがあった」「異業種の方々と熱く語り合うことができた」との声が寄せられた。参加者は、職場に戻って研修の成果を活かしたいとの決意とともに、企業の枠を超えた交流の継続を約束し合った。
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