経団連の経済政策委員会統計部会(野呂順一部会長)は、11月27日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、総務省の澤村保則統計企画管理官付企画官から「公的統計の整備に関する基本的な計画の変更案」について、続いて、佐藤正昭経済基本構造統計課長から「平成26年経済センサス基礎調査」の説明を聞いた。概要は次のとおり。
1.公的統計の整備に関する基本的な計画の変更案
「公的統計の整備に関する基本的な計画」(以下、基本計画)は、公的統計の整備に関する総合的かつ計画的な推進を図るため、2009年3月に初めて閣議決定された。基本計画は5年ごとに見直すこととなっており、現在、現行基本計画の取り組み状況や社会経済情勢の変化を踏まえ作成された第II期基本計画案の検討を進めている。
第II期基本計画案は、四つのパートから成る。第一は、「施策展開に当たっての基本的な視点及び方針」。統計の体系的整備や有用性の確保・向上を目指し、国際比較可能性の確保・向上や統計データの透明化・オープン化などの推進を掲げている。第二は、「公的統計の整備に関する事項」である。経済に占める割合に比して、統計整備が進んでいないサービス産業における統計の充実の必要性などを強調している。第三は「公的統計の整備に必要な事項」。報告者負担軽減に向けたオンライン調査の利便性向上や、民間事業者が持つ優れたノウハウやリソースの積極的利用を進める。第四は「基本計画の推進」。各府省間の連携推進などを通して、基本計画の実効性を確保することを目指す。
第II期基本計画は、パブリックコメントや内閣府統計委員会の答申を踏まえ、今年度中に閣議決定される予定である。
2.経済センサス―基礎調査について
総務省は、来年7月1日に商業統計調査と一体的に経済センサス基礎調査を実施する。農林漁業に属する個人経営の事業所など一部産業を除くすべての事業所が対象となる。経済センサス基礎調査は、産業の基本的構造を明らかにするとともに、事業所母集団データベース等の母集団情報を整備することを目的とする。調査結果は、わが国の社会経済の発展を支える基礎資料として、さまざまな分野で活用されていることから、非常に高い信頼性が求められる。会員企業におかれては、積極的な協力をお願いしたい。
3.事業所母集団データベースの構築・利活用
事業所母集団データベースは経済統計を正確に作成するため、名簿情報の提供・管理を行う重要なインフラである。経済センサスをはじめとする統計調査の結果や行政記録情報を統合することで、すべての事業所・企業情報を捕捉し、最新の情報を保持している。しかし、現在活用している行政情報(労働保険情報、商業・法人登記簿情報)だけでは、母集団情報全体の新設・廃業等を網羅することは難しい。今後は、新たな行政記録情報の活用や企業への直接的な照会などを通して、データベースの一層の整備を進める予定である。
【経済政策本部】