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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年8月29日 No.3143 国土交通省港湾局と意見交換 -運輸委員会物流部会

経団連は7月30日、東京・大手町の経団連会館で、運輸委員会物流部会(小林宏史部会長)を開催し、「骨太の方針、日本再興戦略等における国際コンテナ戦略港湾の機能強化等の港湾関連施策」「国土強靭化、防災・減災対策」について、国土交通省港湾局から説明を聞き、山縣宣彦局長はじめ港湾局幹部と意見交換を行った。

■ 国際競争力強化に向けた港湾関連施策

6月に閣議決定された「骨太の方針」や「日本再興戦略」では、国際コンテナ戦略港湾政策は政府全体で推進していくべき政策として位置づけられた。

世界の港湾におけるコンテナ取扱個数は右肩上がりで伸びているが、わが国の港湾は他のアジア主要港ほど増加していない。荷動きの拡大にあわせてコンテナ船も大型化が進んでいるため、今後は大型船が寄港できる大水深の港湾が必要になる。一方、わが国港湾の欧米基幹航路数は大きく減少しており、このままでは基幹航路が維持できなくなるおそれがある。世界では船会社のアライアンスが加速しており、こうした状況を踏まえて日本の拠点港湾への基幹航路を維持・拡大するために戦略的な取り組みが必要である。

フィーダー(注)機能強化事業の成果として、2012年度は東アジア主要港から5.9万TEU(TEUは20フィートコンテナ1個分)の貨物を取り戻した。こうした取り組みとあわせて、内航フィーダー船の大型化も進めていきたい。地方港の港湾管理者に対しても、港湾局長から国として進めている政策への協力を要請している。このほかユーザーの利便性向上に向けて、コンテナターミナルのゲートオープン時間の拡大や東京港におけるトラックの渋滞対策等に取り組んでいく。選定された戦略港湾では、特例港湾運営会社の指定が進んでおり、今後は経営統合により港湾運営の効率化を図っていく。

国際コンテナ戦略港湾政策を深化させるために荷主企業等も参加する推進委員会を発足した。梶山弘志国土交通副大臣が座長を務め、国全体で政策を推進していく。

(注)フィーダー=国際基幹航路の就航港(ハブ港湾)等で積み替えされた貨物をその他の港へ運ぶ支線輸送(鉄道、内航海運など)

■ 国土強靭化、防災・減災対策

東日本大震災では、地震動や津波によって港湾関連施設も大きな被害を受けた。また、港湾が使用できなくなったことにより、流通や製造業のサプライチェーンも大きな影響を受けた。

港湾の防災・減災に関しては、地震だけでなく高潮や高波の災害にも備える必要がある。また、中央防災会議において、南海トラフ地震や首都圏直下地震への対策について検討を進めており今後、これらを踏まえて政府全体の行動計画を策定する予定である。さらに、国土強靱化への取り組みを進めており、今秋以降に国土強靱化政策大綱を策定する予定である。

防災・減災に向けた港湾のハード対策として、(1)岸壁・荷さばき地の耐震化・液状化対策(2)臨港道路の耐震化・液状化対策(3)荷役機械の耐震化・電源喪失対策――を進めていく。ソフト面でも港湾法を改正し、発災後の港湾機能の維持・早期復旧を図るためにさまざまな対策を進めていく。

【産業政策本部】

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