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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年4月25日 No.3129 被災地域の産業復興加速に向けた施府の取り組み・施策を周知 -復興庁、経産省招き説明会を開催/震災復興特別委員会

経団連の震災復興特別委員会(米倉弘昌委員長、岩沙弘道共同委員長、坂根正弘共同委員長)は18日、東京・大手町の経団連会館で、「被災地域の産業復興の加速に向けた政府の取り組みに関する説明会」を開催し、復興庁の岡本全勝統括官、経済産業省の照井恵光地域経済産業審議官から、復興の現状と課題、復興特区制度や企業立地補助金等の産業復興施策を中心に説明を聞いた。

開会にあたりあいさつした坂根共同委員長は、被災者の本格的な生活再建にはまちづくりと産業復興に向けた取り組みのさらなる強化が必要と指摘したうえで、民間企業の知見・技術・ノウハウを駆使し、被災地域の産業復興に引き続き貢献することを呼びかけた。

■ 復興庁の取り組み

復興庁の岡本統括官からは、今もなお30万人を超える被災者が1200の市区町村での避難生活を余儀なくされているものの、防災集団移転促進事業の実施を目指す地区の約9割の地区においてすでに移転先用地や移転者数の計画決定がなされていることから、今後、事業着工が本格化するとの見通しが示された。

また、復興特区制度において、今年2月末現在、取得する機械等にかかる特別償却または税額控除等の税制上の特例の適用を受けることが認められた指定事業者は1143、利子補給が認められた事業者への融資総額は約739億円に達していることをはじめ、復興特区制度の活用状況について報告があった。加えて、被災企業と彼らを支援したい企業を結びつけ、企業内資源を活用した被災企業の経営力強化を図ることなどを目的とした取り組みが紹介された。

さらに、復興庁に設置された内閣総理大臣の諮問機関である復興推進委員会(委員長=伊藤元重東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授)が「新しい東北の創造」をテーマに、子ども、高齢者、エネルギー、社会基盤、地域資源を柱に被災地域の将来像に関する検討を進めているとの説明があった。

■ 経産省の取り組み

経済産業省の照井審議官は、まず被災地域の経済情勢について説明。東北の鉱工業生産指数や新規・有効求人倍率等、経済指標は数値上好調さを示す一方で、業種により売上の回復状況に偏りがあること、復興の進捗状況についても地域格差が顕著にみられることを指摘するとともに、人材の確保・育成や顧客の獲得が被災企業の主要な経営課題となっているとの見方を示した。

さらに照井審議官は、こうした復興の現状を踏まえ、企業立地の促進を図ることで雇用の場を創出する必要があるとして、これまでさまざまな企業立地補助金制度を創設・運用してきたことを紹介。「ふくしま産業復興企業立地補助事業」は5月24日正午まで第3次募集中である旨説明があった。

これに加え、現在国会で審議されている今年度予算案には、新設の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金として1100億円が盛り込まれていること、対象地域内において対象施設を新増設しようとする場合、中小企業は最大で4分の3、大企業は最大で3分の2の補助率が設定されていることなど、優遇措置の拡充が図られていることを強調。これらを活用した企業による被災地域への投資拡大を呼びかけた。

【産業政策本部】

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