経団連は2日、都内で自由民主党の野田聖子総務会長と当面の重要政策課題をめぐって、意見交換を行った。
冒頭、米倉会長は、「第二次安倍政権は、金融政策、財政政策、成長戦略の『三本の矢』を掲げるとともに、TPP交渉への参加表明を行う等、日本再生に向けたさまざまな新しい政策を実行に移してきた」「こうした動きを受けて、市場では、行き過ぎた円高の是正と株価の回復が進みつつあり、企業を取り巻く事業環境にも、相当明るい兆しが見え始めてきた」と安倍政権の政権運営を評価した。そのうえで「野田総務会長には、党内をまとめる扇の要として、引き続き政府の政策遂行を支えていただきたい」と述べ、与党への期待感を示した。
続いてあいさつした野田総務会長は、「昨年の衆院選で政権に復帰したが、選挙結果は民主党に対する不満の表れであり、国民の信頼を得たとは思っていない」と述べたうえで、「野党時代に自力で考えた政策が、いまの第二次安倍政権の政策の基盤となっている。円高対策に率先して取り組んだのも、その一例である」「今後、日本がかつてない人口減少社会に突入するという認識のもと、規制改革や成長戦略を実行したい」「『ウーマノミクス』という言葉があるが、女性を活用すれば、GDPが15%は上がるといわれている。他方、男性の失業率が女性の失業率を上回る『マンセッション(男性不況)』になっている。これが、少子化の一因となっている」「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度になるよう期待するという政府の目標は、女性の活躍推進に向けた思いの表れである。すべての分野で優秀な女性が活躍できるよう、尽力したい」と述べ、党として成長戦略や規制改革など、さまざまな課題に取り組む姿勢を示した。
その後、懇談会では、成長戦略や規制改革、少子高齢化、女性の活躍推進の方策などをめぐって意見交換が行われた。
【政治社会本部】