経団連の観光委員会(大塚陸毅委員長、山口範雄共同委員長)は11月25、26の両日、宮城県南三陸町、気仙沼市に、観光委員会企画部会の主要メンバー10名からなる現地調査団(団長=山口共同委員長)を派遣した。今回の調査は、企画部会を中心として進めている観光関連産業ならびに地域の競争力強化に関する優良事例の収集の一環として行われたもの。
南三陸町と気仙沼市は、福興市や復興商店街など、観光を通じた復興、地域づくりの取り組みで注目されている。現地では、佐藤仁南三陸町長、山内正文福興市実行委員長、峯浦康宏気仙沼副市長、坂本正人気仙沼復興商店街副理事らと相次いで懇談した。
懇談で佐藤町長から「震災後移転した住民に戻ってきてもらうためにも、福興市のような交流人口拡大に向けた取り組みを一層推進していきたい」、峯浦副市長から「基幹産業である水産業のほか、観光業の復興も重視している。自然環境や水産品などの食材を活用したこれからの観光の姿を観光戦略会議で検討している」との話があったほか、山内実行委員長からは「一日も早い復興に地域が気持ちを一つにして取り組むので支援を願いたい」との要請があった。
今回の調査では、震災前から築き上げた官民連携のノウハウや観光を通じた地域づくりの取り組みが早期復興につながる一方、まちづくりと一体となった取り組みが急がれるなどの課題も明らかになった。今後、観光委員会企画部会では、調査結果を踏まえつつ、地元住民と自治体、観光関連産業等の連携に向けた方策などについて検討を深め、報告書を取りまとめる予定である。
【産業政策本部】