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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年11月22日 No.3110 電子行政推進の方向性と政府CIOの取り組み -遠藤政府CIOに聞く/電子行政推進委員会

間塚共同委員長

経団連は9日、東京・大手町の経団連会館で電子行政推進委員会(内田恒二委員長、間塚道義共同委員長)を開催し、初代政府CIO(Chief Information Officer)に就任した内閣官房の遠藤紘一氏と副政府CIOの向井治紀氏から電子行政推進の方向性と政府CIOの取り組みについて説明を聞いた。遠藤政府CIOの説明概要は次のとおり。

説明する遠藤政府CIO(左)と向井副政府CIO

電子行政推進の中核となる政府CIOの必要性はかねて認識されており、2010年にIT戦略本部が決定した「新たな情報通信技術戦略」に政府CIOを設置する方針が明記された。今年8月に政府情報システム刷新有識者会議が取りまとめた「政府情報システム刷新のための共通方針」のなかで、あらためて政府CIOの設置が提言され、8月10日に政府CIOに任命された。

現在、政府CIOには法律上の根拠はないが、「行政改革実行本部とIT戦略本部の本部員は、政府CIOの職務遂行に最大限協力する」という両本部の決定をよりどころとしており、総理をはじめ閣僚のバックアップをいただいている。政府CIOの権限などに関する法律策定の必要性は与野党一致して認識されており、次期通常国会に法案が提出される予定である。

政府システムの現状を調査した結果、政府全体で約1500ものシステムが存在することや、各システムの保守運用費用、刷新時期などが明らかになった。今後は、霞が関共通のプラットフォームの構築による人事・旅費等の共通業務に関するシステムの共通化や、各省庁が別々に行っているプロジェクトの政府全体の視点からのIT投資の全体最適に向け、民間の経験やノウハウを活かして取り組みたい。また、国と地方公共団体のシステム連携や、全国に約1700ある地方公共団体のシステムの共通化も重要課題の一つである。これが進めば、マイナンバー導入後のシステム対応も円滑に進むはずである。

改革にあたっては、「利用者」「業務改革」「情報技術」「競争力」の視点を重視して取り組みたい。手続きを単に電子化した過去の反省を踏まえ、システム検討の前に、まず業務の標準化と共通化を行う。サイバーテロ等への対策に、技術をうまく使っていく。電子行政の推進により社会インフラのコストを下げることで、企業がビジネスをしやすい環境をつくっていきたい。

国民が成果を実感できる電子行政を目指して、関係者の協力をいただきながら改革に取り組みたい。

■ 意見交換

続く意見交換では、「予算の権限を政府CIOが持てるような法整備が必要」「新たな取り組みについて産業界と意見交換する機会を設けてほしい」などの意見が出された。

【産業技術本部】

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