経団連は7日、東京・大手町の経団連会館で、「今夏の電力需給対策に関する説明会」を開催した。
全国50基の原子力発電所停止により、今年の夏は全国的な電力不足に陥るおそれがあることから、政府は先月18日に今夏の電力需給対策を取りまとめた。そこで、会合では、資源エネルギー庁の佐藤悦緒電力基盤整備課長から、同対策について説明を聞き、意見交換を行った。
佐藤課長の説明概要は次のとおり。
■ 今夏の電力需給対策の基本的考え方
供給面では、現段階で確実とみられる供給力を基本とし、今後確実に見込めるようになった供給力は、その時点で上方修正する。
需要面の対応については、一昨年の実績を基準に、電力会社管内ごとにピーク期間・時間帯の使用最大電力(kW)の抑制(節電)を要請する。ただし、病院や鉄道等のライフライン機能や国の安全保障上極めて重要な施設の機能等の維持に支障が出る場合については、機能維持への支障が生じない範囲で自主的な目標を設定し実施することを要請する。
■ 各電力会社管内の需要家に対する要請
具体的な節電期間・目標は次のとおり。
〈北海道電力管内〉
- (1)節電期間=7月23日~9月7日の平日9時~20時および9月10日~9月14日の17時~20時
- (2)節電目標=対一昨年比マイナス7%以上
〈東北、東京電力管内〉
- (1)節電期間=7月2日~9月28日の平日9時~20時
- (2)節電目標=数値目標を伴わない節電
〈関西電力管内〉
- (1)節電期間=7月2日~9月7日の平日9時~20時
- (2)節電目標=対一昨年比マイナス15%以上
(なお、電気事業法27条に基づく電気の使用制限については実施しない)
〈四国電力管内〉
- (1)節電期間=7月2日~9月7日の平日9時~20時
- (2)節電目標=対一昨年比マイナス7%以上
〈九州電力管内〉
- (1)節電期間=7月2日~9月7日の平日9時~20時
- (2)節電目標=対一昨年比マイナス10%以上
〈中部、北陸、中国電力管内〉
- (1)節電期間=7月2日~9月7日の平日9時~20時
- (2)節電目標=対一昨年比マイナス5%以上
■ 需給逼迫時の対応
需給逼迫の可能性がある場合には、「電力需給逼迫警報」を発令する。また、電源の脱落等万が一に備えて、関西電力、九州電力、北海道電力および四国電力管内において、計画停電の準備を進める。
■ 節電促進に向けた取り組み
節電支援のため、エネルギー需給安定関連の予算の執行を加速し、規制・制度改革を着実に実行する。また、需要の変動に効率的に対応する新たなピークカット対策を推進する。
■ コスト上昇への対応
政府として、電力会社に対してさらなる経営効率化努力を要請し、中期的な資源の安定獲得に向けた取り組み等を進める。
【環境本部】