経団連は12日、東京・大手町の経団連会館で、ベルギー王国のフィリップ皇太子殿下との昼食懇談会を開催した。懇談会には、同行した同国の閣僚や経済ミッションの主要団員も参加した。
■ 日EU・EPAの重要性を共有
冒頭、米倉会長は、皇太子殿下が日系企業との関係を重視しておられることに謝意を述べるとともに、二国間経済交流を一層拡大する手段として日EU・EPAの重要性を強調。政府間協議が円滑に進むよう、経団連として双方の業界間対話を促進していることなどを説明した。
日EU・EPAについてフィリップ皇太子殿下は、ベルギーはこれを支持しており、スコーピング作業で前向きな結果が出され、日EU関係の進展につながるとのお考えを述べた。また、レンデルス副首相兼外務・貿易・欧州問題大臣は、NTB(非関税障壁)の撤廃、政府調達の欧州企業への開放、医薬品の知的財産権保護の3点を重視し、特に交渉開始前のNTB撤廃への取り組みに期待を示した。デスメット・ベルギー産業連盟会長は、ベルギー経済界として日EU・EPAを強く支持し、NTBに関する双方のこれまでの取り組みを評価すると発言した。
経済関係の強化に向けて支援
■ 今回の訪日経済ミッションを通じ日本との多様なパートナーシップ構築を
フィリップ皇太子殿下は、両国の経済関係強化に向けたお言葉を次のとおり述べた。
今回、200名超・約130社からなるベルギー史上最大規模の経済ミッションを率いて訪日することができうれしく思う。日本におけるベルギーの知名度は高く、ダイヤモンド、ビール、チョコレートなど高品質の製品が人気を博している。ベルギー企業は一層の品質向上や技術革新に取り組んでおり、今後は、ライフサイエンス、医薬品、新素材、ICT、エネルギー、自動車等のサービス、物流の分野で、両国の民間企業間、研究機関・大学間の連携と協力に大きな可能性があると考えている。
両国経済が直面する高齢化や国際競争の激化など、共通の課題に対処していく必要がある。また、急成長を遂げる新興国市場のチャンスに注目しつつ、同時に、長期にわたるパートナーシップを再確認することも重要である。だからこそ、今回の訪日経済ミッションを派遣した。
日本はベルギーの最も信頼するパートナーの一つであり、現在200社以上の日系企業が進出し現地で約2万5千の雇用を創出している。連邦・地域政府は共に、両国のビジネス関係強化に向けて全面的な支援を約束する。
【国際経済本部】