経団連は21日、東京・大手町の経団連会館で社会貢献担当者懇談会(嶋田実名子座長)を開催し、RCF復興支援チームの藤沢烈代表理事を招き、東日本大震災発生後2年目以降の復興支援のあり方について説明を聞いた。
■ 藤沢代表理事説明要旨
東日本大震災発生後しばらく、本来支援に当たるべき自治体が機能不全に陥っていたため、NPOや企業等の外部の組織が既存の組織・制度の枠組みにとらわれずに支援を行うことが有効であった。しかしながら、2年目以降の復興支援期においては、1年目までとは異なり、当事者である被災住民や自治会等が主役になってコミュニティー活動やまちづくりに取り組む必要がある。また、それを行政、NPO、企業が三位一体となって連携して支援することが求められる。
災害支援のプロセスは定式化されており、次の段階を予測して対応することが重要である。現在は、「お茶っこサロン」の開催など、仮設住宅におけるコミュニティー支援が行われているが、仮設住宅から復興住宅に移行した後のコミュニティーの形成にどうつなげていくかを考えなければならない。
また、まちづくり・復興計画策定においては、市町村よりもさらに細かい、コミュニティー単位で住民の合意形成を図ることが必要である。地域外のNPOは往々にして、自治会・自治体の意向を把握できておらず、住民の合意形成の阻害要因となっているケースもある。また、特定の団体だけで議論するのではなく、自治会、婦人会、老人クラブ、PTA等地域のすべての団体が参加し、地域代表性があるかたちで合意形成を図らなければならない。
今後のNPOの活動は、自治会や自治体と競合しないよう、自治会等の活動資金の助成申請支援や事業実施報告等の管理業務を担当するなど、事務局機能を果たすことが求められる。企業としても、「NPOに資金援助する」のではなく、「現地に資金援助する」意識で、コミュニティー単位で地域代表性がある住民組織と連携し、行政と連携あるいは補完関係にあるNPOを支援してほしい。
企業への要望として、第1に、地域の復興状況がわかる専任担当者を置き、彼らに地域コミュニティーと社員とのハブ機能を担ってほしい。第2に、行政や代表性がある住民と連携している現地パートナーと連携してほしい。第3に、支援企業間での情報共有を推進してほしい。
藤沢氏の説明の後、農林水産省の森丘宏大臣官房参事官から、被災農山漁村とボランティアをつなぐポータルサイト「ふるさとふれあいプロジェクト」について説明を聞いた。
【政治社会本部】