経団連は3月22日、東京・大手町の経団連会館で日本ベトナム経済委員会(加藤進委員長、高橋恭平共同委員長)を開催し、ベトナムのドアン・スアン・フン駐日大使を招いて、昨年発足したベトナム政府、共産党の新体制の下での向こう10年の成長戦略と両国経済関係の展望について聞いた。また、加藤委員長、高橋共同委員長から、3月のASEANミッションのハノイ訪問の模様を報告した。
フン大使の発言要旨は次のとおり。
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日越関係はかつてなく良い状況にあり、日本は重要なパートナーである。両国首脳の往来も活発で、ズン首相が4月の日メコン首脳会議に参加するため訪日するほか、フン国会議長やゾアン国家副主席も年内に訪日する予定がある。両国の戦略的パートナーシップは今後も変わらない。貿易投資のみならず、科学技術、観光、地域協力の分野など、多岐にわたる協力分野がある。
現在は対越投資の好機である。ベトナムは政治的に安定しており、10カ年戦略および5カ年計画の下で強い決意を持って工業化・近代化を進めている。若い労働力も豊富で、対日感情が良好である。中央政府のみならず、地方の人民委員会も日本企業の投資を歓迎している。現在、各地の工業団地の開発が停止されているが、日本企業専用工業団地は例外であり、整備する方針に変更はない。
貿易面では、市場アクセスを改善して、安価なベトナムの果物や水産物を日本に輸出したいと考えている。
また、計画投資省が日本の専門家と協力して、ベトナムの工業化戦略の検討を進めている。今年半ばには育成対象とする産業について中間的に取りまとめることになっている。日本企業の参加を期待しており、結論を日本ベトナム経済委員会に報告する。日本企業が参加しやすい環境づくりのために意見を聞きたい。
エネルギー分野での協力について、ベトナム政府の原発導入の方針は不変である。新エネルギー開発もベトナム政府の戦略の一つであり、関心のある日本企業はぜひ声をかけてほしい。
【国際協力本部】