官民連携のもと、成長志向の財政健全化を
「おめでとう! 日本もいよいよ欧米に近づいてきたね」
2024年秋、中東で開かれた国際会議に出た際、旧知の欧州系金融機関トップから皮肉まじりにかけられた言葉だ。その前日、日本の衆議院議員総選挙で与党が大きく議席を減らした様子をみて、極右政党が勢力を伸ばすフランス、連立政権の瓦解が危ぶまれていたドイツ、政治的分断が深まる米国など、欧米の混沌とした政治情勢と重なったらしい。
「おめでとう! 日本もいよいよ欧米に近づいてきたね」
2024年秋、中東で開かれた国際会議に出た際、旧知の欧州系金融機関トップから皮肉まじりにかけられた言葉だ。その前日、日本の衆議院議員総選挙で与党が大きく議席を減らした様子をみて、極右政党が勢力を伸ばすフランス、連立政権の瓦解が危ぶまれていたドイツ、政治的分断が深まる米国など、欧米の混沌とした政治情勢と重なったらしい。
気候変動問題が厳しさを増す中、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを世界的に加速することが求められている。同時に、国際情勢の不安定化を背景に、エネルギー安全保障・安定供給の確保と現実的なトランジションの重要性が着目されつつある。DX・GXの進展を背景に、今後のわが国の電力需要の見通しが増加に転じる中、国内投資を維持・拡大していくためには、脱炭素電源の導入拡大に向けた道筋の明確化が喫緊の課題である。
こうしたもとで、政府はGX2040ビジョン、第7次エネルギー基本計画、次期NDC(温室効果ガスの排出削減目標)・地球温暖化対策計画を年度内に策定する。
【提言】
エネルギー基本計画の見直しに向けた提言
―国民生活・経済成長を支えるエネルギー政策の確立を求める
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/071.html
内田 高史(経団連審議員会副議長、資源・エネルギー対策委員長/東京ガス会長)
次期エネルギー基本計画(案)の要点
村瀬 佳史(資源エネルギー庁長官)
2040年エネルギーミックスとその経済影響の分析
秋元 圭吾(地球環境産業技術研究機構(RITE)システム研究グループグループリーダー)
ITER計画と核融合エネルギー実現への道のり
ピエトロ・バラバスキ(ITER機構長)
2050年カーボンニュートラル実現のための再エネの大量導入と長期安定稼働に向けて
―第7次エネルギー基本計画策定に向けたREASPの提言
池内 敬(再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(REASP)代表理事)
脱炭素社会の実現と電力の安定供給の両立に貢献
―JERAゼロエミッション2050
奥田 久栄(JERA社長)
カーボンニュートラルに向けたエネルギー投資へのファイナンス
工藤 禎子(三井住友銀行副頭取)
S+3Eの追求に向けた電力システムの合理的な設備形成とその運用
平岩 芳朗(電力中央研究所理事長)
高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定に向けて
畠山 陽二郎(資源エネルギー庁次長兼首席最終処分政策統括調整官)
【提言】
宇宙活動法の見直しに関する提言
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/089.html
漆間 啓(経団連審議員会副議長、宇宙開発利用推進委員長/三菱電機社長)
【報告】
生物多様性条約第16回締約国会議へのミッション派遣を振り返って
西澤 敬二(経団連審議員会副議長、自然保護協議会会長/損害保険ジャパン顧問)
【報告】
「金利のある世界」と企業行動のあり方
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/084.html
柄澤 康喜(経団連経済財政委員長/三井住友海上火災保険常任顧問)
鈴木 伸弥(経団連経済財政委員長/明治安田生命保険特別顧問)
【報告】
コートジボワール官民会合参加、モロッコにミッションを派遣
―現地を見て肌で感じるアフリカ
加留部 淳(経団連アフリカ地域委員長/豊田通商シニアエグゼクティブアドバイザー)
【報告】
COP29における経団連の活動
船越 弘文(経団連環境委員会地球環境部会長/日本製鉄副社長)
【報告】
シンポジウム「公正・公平で強靭かつ持続可能な貿易投資環境の実現に向けて」を開催
―自由で開かれた国際経済秩序の再構築の方策について議論
(経団連国際経済本部)
あの時、あの言葉
旅は寛容を教える“Travel teaches toleration”
立石 文雄(経団連サプライチェーン委員長/オムロン名誉顧問)
Essay「時の調べ」
死者の日に出会う
管 啓次郎(詩人・明治大学大学院理工学研究科(総合芸術系)教授)