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月刊 経団連

月刊 経団連2023年12月号

特集 大規模災害に負けない持続可能な社会の構築

巻頭言

心にダイバーシティを

魚谷 雅彦 (経団連審議員会副議長/資生堂会長)

私は、経団連ダイバーシティ推進委員長や30% Club Japanのチェアとして、多くの経営者や人事担当役員の方々と人財の多様化や組織文化の改革に取り組んでいる。世界第3位(2022年実績)の経済大国日本が、ジェンダーギャップインデックスでは125位。経済・政治分野でのこの実情が「失われた30年」という厳しい現実を生んだ一因ではないか、と考えている。

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特集

大規模災害に負けない持続可能な社会の構築

近年、地震、台風、局所的豪雨などの災害が頻発化・激甚化する傾向にあり、多くの地域で被害が出ている。また、南海トラフ地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震や富士山噴火など、広域に及ぶ桁違いの大災害はいつ起きてもおかしくない状況にある。
こうした中、自然災害から国民の命や財産、暮らしを守るべく、国土強靱化を継続的・安定的に実現していくため、政府は2023年7月に新たな「国土強靱化基本計画」を策定した。これに先立ち、経団連は2023年4月、提言「大規模災害に負けない持続可能な社会の構築」を公表し、災害発生時の被害を最小限にとどめ、社会経済活動を維持するために優先的に取り組むべき課題を提示した。

座談会:強靱で持続可能な国土の形成に向けて

  • 永野 毅 (経団連副会長、危機管理・社会基盤強化委員長/東京海上ホールディングス会長)
  • 福和 伸夫 (名古屋大学名誉教授)
  • 岡村 次郎 (内閣官房国土強靱化推進室次長)
  • ■ 頻発化・激甚化が進む自然災害から人々の命や生活を守るために
  • 関東大震災以降100年間の日本の災害の歴史
  • 激甚化する自然災害に対し、デジタルを活用した国土強靱化を
  • 自然災害による経済損失が大きい日本
  • ■ 防災意識を高めるために重要なこと
  • 危険地域を避けた住まい方の工夫を
  • 危険地域から保険会社が撤退する米国
  • コンパクトシティー化と現代版自立住宅
  • 地域の災害を文化として伝える
  • ■ 今後の経団連の活動への期待
  • 経団連が仲介役となり業界間・地域間の多様な連携を
  • ハザードに備えたところが生き残れるという文化
  • リスクを分散させ、移住を促す

気象情報・データの産業界での防災活用の推進
 大林 正典(気象庁長官)

  • 気象庁が発表する防災気象情報
  • 気象情報・データを活用した様々な取り組み
  • 今後の展望

水没危険地域における人口増加動向と土砂災害警戒区域に位置する住宅戸数
─オープンデータ分析にみる都市のひずみ
 川除 隆広(日建設計総合研究所執行役員)

  • 水没危険地域(洪水浸水想定区域)における人口増加の動向
  • 土砂災害警戒区域に位置する住宅戸数
  • 政策の動向

わが国企業の事業継続能力の向上に向けた政府の取り組み
 山口博史(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(防災計画担当))

  • BCPとBCMの意義
  • 事業継続ガイドライン
  • BCPの普及・啓発に向けた取り組み
  • レジリエンス認証

お客さまに信頼されるレジリエントな企業体質を目指して
─NXグループのBCP
 渡邉 健二(NIPPON EXPRESSホールディングス会長)

  • NXグループのネットワークとホールディングス体制
  • 事象型BCP
  • 基盤となる危機管理体制とリスクマネジメント体制の強化
  • BCPや施策の見直しと連動性の確保

インフラ老朽化への対策
 根本 祐二(東洋大学経済学研究科教授)

  • 問題の背景
  • 処方箋のリスト

まちづくりには成功も終わりもない
─オガールプロジェクトから考える防災とまちづくり
 岡崎 正信(オガール代表取締役)

  • オガールプロジェクト立ち上げのきっかけとこれまでの取り組み
  • 様々な軋轢を乗り越えるために
  • 災害に強いまちづくりとは
    ─プロジェクトを遂行する中で見えてきたこと
  • 企業に期待すること

インフラメンテナンスの現状と課題
─トンネル点検を事例に
 芳賀 寛行(朝日航洋空間情報事業本部社会インフラ事業部担当部長)

  • インフラメンテナンスに関わる国の施策動向
  • MMSによる点検の自動化・省力化
  • 「モービルインスペクションシステム GT-8K」による点検事例

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一般記事

【提言】
AI活用戦略Ⅱ

─わが国のAI-Powered化に向けて
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/067.html
 東原 敏昭(経団連副会長、デジタルエコノミー推進委員長/日立製作所会長)
 篠原 弘道(経団連デジタルエコノミー推進委員長/日本電信電話相談役)
 井阪 隆一(経団連デジタルエコノミー推進委員長/セブン&アイ・ホールディングス社長)

  • 基本的考え方
  • AIの積極的活用に向けた取り組み
  • AI活用に付随するリスクへの対応
  • わが国におけるAI開発能力の強化

【提言】
中長期視点での全世代型社会保障の議論を求める

https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/068.html
 小堀 秀毅(経団連副会長、社会保障委員長/旭化成会長)
 根岸 秋男(経団連社会保障委員長/明治安田生命保険会長)

  • 将来推計人口から見通した2045年の姿
  • 目指すべき姿と改革の方向性
  • 今後の政府議論への期待
  • 企業の役割

【報告】
SDGsミッションを米国に派遣

─SDGs推進のための課題や連携のあり方、サステナビリティーへの取り組みについて意見交換
 出雲 充(経団連審議員会副議長/ユーグレナ社長)
 郡司 典子(経団連企業行動・SDGs委員会企画部会長/キヤノン執行役員)

  • SDGsが危機に瀕する中、日本企業の投資と技術に期待
  • SDGs推進のための経団連のリーダーシップを高く評価
  • ビジネスと人権
  • 米国企業のサステナビリティーへの取り組み

【報告】
日トルコ経済関係の拡大と深化に向けて

─イズミルで4年ぶりに日本トルコ合同経済委員会を開催
 満岡 次郎(経団連審議員会副議長、日本トルコ経済委員長/IHI会長)
 漆間 啓(経団連日本トルコ経済委員長/三菱電機社長)

  • 日トルコ経済関係の拡大・深化に向けて多面的な議論を展開
  • 今次会合の成果を踏まえた今後の取り組み

【報告】
サステナブルな商品・サービス選択の推進

─共感・応援消費を通じた社会課題解決
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/066.html
 稲垣 精二(経団連審議員会副議長、消費者政策委員長/第一生命ホールディングス会長)
 吉田 淳一(経団連消費者政策委員長/三菱地所会長)

  • サステナブルな消費が広がる背景
  • ポジティブな選択・購買を推進するうえでの課題
  • 課題克服に向けた六つの要素

連載

  • あの時、あの言葉
    NOU AVEC ZOT
    池田 潤一郎(経団連ロジスティクス委員長、日本・香港経済委員長/商船三井会長)

  • Essay「時の調べ」
    辺境の思考
    中生 勝美(桜美林大学リベラルアーツ学群教授)

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