「海の日」に思う
わが国は国民の祝日「海の日」を持つ、世界でも数少ない国である。1995年に制定された時は、7月20日だった。明治9年、若き明治天皇が、いまだ人心収まらぬ東北に行幸され、函館から「明治丸」に乗船し無事横浜に帰着されたのが7月20日だった故事にちなんだ。そして祝日「海の日」の趣旨は、国民こぞって「海の恩恵に感謝し、海洋国家日本の繁栄を祈る」ことにあった。
わが国は国民の祝日「海の日」を持つ、世界でも数少ない国である。1995年に制定された時は、7月20日だった。明治9年、若き明治天皇が、いまだ人心収まらぬ東北に行幸され、函館から「明治丸」に乗船し無事横浜に帰着されたのが7月20日だった故事にちなんだ。そして祝日「海の日」の趣旨は、国民こぞって「海の恩恵に感謝し、海洋国家日本の繁栄を祈る」ことにあった。
成長著しいASEAN諸国とわが国の経済交流は、着実に拡大している。すでに域内では、多くの企業が国境を越えたサプライチェーンの構築や事業活動を進めている。2015年末を目指すASEAN経済統合や、それを支える連結性強化の取り組みによって、ASEANにおいて企業が円滑に事業活動を展開できる環境の構築が期待される。ASEANの経済統合後を見据えた企業戦略の構築による競争力強化に向けて、企業がビジネス上直面する具体的な課題と、それを解決するための取り組みについて議論した。
内山田竹志 (経団連副会長/トヨタ自動車会長)
ASEANはさらなる成長が望める新興市場として、自動車産業にとって重要なパートナーであると考えている。今後、ASEAN経済統合による域内の競争、また環境意識の高まり(環境規制導入・強化)やFTAによる市場のグローバル化進展により、自動車産業の競争は激化すると予想される。裾野産業も含めた競争力の強化には、域内インフラ整備や人材育成が急務である。
河合正弘 (東京大学公共政策大学院特任教授)
ASEAN地域に対する日本企業の直接投資残高は、対中国よりも大きい。域内のサプライチェーンも日本企業が中心になってつくってきたことから、日本にとって特に重要な地域である。ASEAN各国はハード面・ソフト面での課題を乗り越え、2015年末のASEAN経済共同体設立へ向けて、各国間の連結性を高めつつある。各国が経済統合や制度・規制の共通化のメリットを認識し、それに必要な国内経済改革を進めることで、共通のフレームワークに収束させることが望まれる。
中西宏明 (経団連副会長/日立製作所会長)
ASEANとしての連結性を完結させるためには、ものと人の移動の自由度を高める交通インフラの整備が不可欠である。これは、日本企業にとって大きなビジネスチャンスでもある。インフラ投資の受注競争に勝ち抜くためにも、ASEANの一員として日本が協力する意識が大切である。日立製作所が1996年からアジアの次世代リーダー育成を目的に行ってきた「日立ヤングリーダーズ・イニシアティブ」のような取り組みが今後も日本企業に求められるだろう。
矢野 薫 (経団連審議員会副議長・国際協力委員長/日本電気会長)
パッケージインフラの輸出は日本の成長戦略の柱になっており、経団連としても、さまざまな提言を行ってきた。先進国から発展途上国への投資は、民間資金がODAの2.5倍の額になっているなかで、日本からASEAN地域へのPFI、PPPが進んでいない。日本企業が制度を積極的に活用することで、具体的な案件が出てくることになろう。人材育成に関しては、ASEAN諸国から日本への留学生を増やすために、魅力ある大学づくり、奨学金など制度の充実が求められる。
久保田政一 (司会:経団連事務総長)
ASEANと日本の経済協力
レー・ルオン・ミン (ASEAN事務総長)
日本とASEAN経済共同体
チン・シアット ユーン (駐日シンガポール共和国大使)
ASEANにおけるソフトインフラ整備の取り組みと投資環境の改善
西村英俊 (東アジア・アセアン経済研究センター事務総長)
泰日工業大学におけるわが国の産業人材育成の成果と第三国への展開
中原秀人 (日・タイ経済協力協会理事/三菱商事副社長)
交通渋滞問題解消に向けたITS技術による取り組み
児玉敏雄 (三菱重工業取締役常務執行役員)
ASEAN域内への鉄道展開について
太田朝道 (東日本旅客鉄道執行役員鉄道事業本部運輸車両部長(前総合企画本部国際業務部担当部長))
ASEAN経済統合に向けた域内物流の展望と課題
橋本浩平 (日本通運海外企画部長)
AECの設立と産業立地
黒岩郁雄 (JETROバンコク事務所(バンコク研究センター)上席主任研究員)
【提言】
持続可能で経済活動と両立する医療制度の確立に向けて
~医療保険制度改革に関する要望
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/043.html
斎藤勝利 (経団連副会長・社会保障委員長/第一生命保険会長)
鈴木茂晴 (経団連社会保障委員会共同委員長/大和証券グループ本社会長)
【提言】
新たな理念の下での国際協力の推進を求める
~ODA大綱の改定に向けて
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/046.html
矢野 薫 (経団連審議員会副議長・国際協力委員会共同委員長/日本電気会長)
飯島彰己 (経団連審議員会副議長・国際協力委員会共同委員長/三井物産社長)
【提言】
活力ある農業・地域づくりに向けた経団連とJAグループによる連携・協力の強化
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/047.html
小林栄三 (経団連審議員会副議長・農政問題委員会共同委員長/伊藤忠商事会長)
十倉雅和 (経団連審議員会副議長・農政問題委員会共同委員長/住友化学社長)
【報告書】
グローバルに活躍できるマネジャーの確保・育成に向けた取り組み
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/044.html
鳥原光憲 (経団連人事・労務委員長(当時)/東京ガス相談役)
タナティップ・ウパティシン駐日タイ王国大使に聞く
ほほ笑みの国・タイの観光戦略
(PDF形式にて全文公開中)
タナティップ・ウパティシン (駐日タイ王国大使)
大塚陸毅 (聞き手:経団連副会長・観光委員長/東日本旅客鉄道相談役)
昨年12月20日、一年間に日本を訪れる外国人旅行者数が史上初めて1000万人を突破し、「観光立国」の実現に向けて新たな一歩を踏み出した。一方、タイは、年間外国人旅行者数が2600万人を超えるアジア有数の観光大国である。1998~2000年の「アメージング・タイランド」キャンペーンを皮切りに、近年、次々と観光振興策を打ち出し、観光はタイを代表する一大産業となっている。「ほほ笑みの国」といわれるタイの魅力と観光戦略について、タナティップ・ウパティシン駐日タイ王国大使にお話を伺った。