1996年6月14日
(社)経済団体連合会
要綱案第6(不開示情報)の注では、国会、裁判所及び地方公共団体に関する情報の取扱いについては引き続き検討するとされている。三権分立の原理、地方自治の本旨から見て、これら情報の開示は、本来それぞれ国会、裁判所および地方公共団体が一義的に決定すべきことと考えられ、その方向で検討が進められることを要望する。
その際、機関委任事務に係わる情報については、全国的な公平性、統一性が確保されるよう地方公共団体が必要な施策を講じることを第26(地方公共団体の情報公開)で規定することを要望する。
要綱案第7(公益上の理由による開示)では、第6の2号から6号までに掲げる不開示情報についても、これらの規定により保護される利益に優越する公益上の理由があると認められる時は開示できるとされている。しかし、ここで想定されている公益は明確でなく、最終報告においては、これを例示等により明らかにすることを要望する。
少なくとも、第6の2号に掲げる情報については、同号ただし書において比較衡量により開示される場合が明示されており、これに加え第7の公益衡量の対象とすべきではない。
要綱案第6第2号では、開示することにより競争上の地位、財産権その他正当な利益を害するおそれがある企業情報又は公にしないとの約束の下に任意に提供され、現に公にされていない企業情報は不開示情報とされている。しかし、具体的にどのような情報がこれに該当するか行政機関と企業の判断は必ずしも一致しないと考えられる。とりわけ、統計法、統計報告調整法を除き行政調査に係わる手続について通則的規定が未整備なわが国においては、過去に提供された情報について、「公にしないとの約束」の存否を確認することは一般に困難であると予想される。
したがって、企業情報については、第13(第三者保護のための手続)第1項による第三者からの意見聴取を、運用として可能な限り行うべきことを、最終報告で付言されることを要望する。
要綱案第28(関係法律との調整)では、関係法律の規定との間で必要な調整を行うとされている。経団連としては、先の意見書で要望した通り、他法令により行政機関による開示が禁じられている情報、行政機関が有するものであっても他法令において保護されている企業情報については不開示とすることを要望する。
以 上