[経団連] [意見書] [ 目次 ]
保険者機能の強化への取組みと高齢者医療制度の創設
(概要)
2000年11月14日
(社)経済団体連合会
- 検討の経緯
経団連意見書「国民の信頼が得られる医療保障制度の再構築」(96年11月)
(1)老人保健制度の抜本的改革、(2)医療保険者の機能強化、(3)競争原理の本格的導入を提言。
政府における医療保険制度の抜本改革の先送り
2000年度を目途とした医療保険制度改革の議論では、抜本改革を先送り。
経団連として改めて2002年度の医療保険制度の抜本改革実現を要望
保険者機能の強化と新たな高齢者医療制度のあり方に関し、改めて具体的提案をとりまとめ。さらに2002年度の抜本改革実現に向け、国民的議論が深まった段階で、必要があれば別途提言。
- 医療保険制度を取り巻く環境変化
経済社会の構造的な変化
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医療費の増加と保険者の財政悪化
既に多くの健保組合が赤字転落。とくに老人保健拠出金が健保財政を圧迫。
医療の情報の非対称性
医療情報が医療機関に過度に集中しており、医療サービスの質や効率性に対する利用者側のチェック機能が不在。
経済界の問題意識
- 保険者機能強化の必要性
医療保険制度の抜本改革を待つことなく、企業、健保組合といった保険者自ら医療保険コストの合理化に注力することが必要。
- 老人保健制度の抜本的改革
保険者の機能強化に向けた取組みを促すため、保険者自身のコントロール外にある老人保健制度を抜本改革し、ふさわしい財源を選択。
- 財政・税・社会保障制度を包括した検討
- 医療・介護分野におけるITの活用
- 医療保険制度改革に向けた保険者機能の強化
企業及び健保組合自らが保険者機能を発揮することにより、医療保険制度の抜本改革を促す。
企業、健保組合の自主的な取組み(既に実施中)
- 健保組合の保健事業と企業の健康管理の提携、
- 企業、健保組合と医療機関との連携(疾病予防の強化)、
- 健保組合と従業員の間のコミュニケーション強化(医療費通知の確認、イントラネット等による健康相談等)、
- 健保組合間の共同事業(高齢者への訪問指導、検診等の共同実施等)、
など
本格的な取組みに必要となる基盤整備と規制の見直し
医療保険コストの合理化に向けた企業や健保組合の本格的な取組みを可能とするには、所要の基盤整備や規制の見直しが必要。
- レセプト審査・支払業務の電子化(基盤整備:レセプトの電子媒体化)
- 健保組合等によるレセプトの一次審査(規制緩和:社会保険診療報酬支払基金以外でのレセプトの一次審査の容認)
- 健保組合と優良な医療機関との連携強化(基盤整備:医療情報のネットワーク化、共有化、規制緩和:割引契約の締結の容認)
- 第三者機関による医療機関・サービス評価の活用(規制緩和:医療機関に関する広告規制の緩和)
- 保険者支援サービスの活用(規制緩和:健保組合の適用・給付業務の外部委託の容認)
健保組合の再編・整理の推進
電子政府構築の一環としての医療・介護情報ネットワークの整備
医療・介護分野におけるIT活用により、医療サービスの質的向上と医療保険コストの効率化を実現
- 新たな高齢者医療制度の創設
高齢者医療制度、高齢者の位置付け−「自立・自助・自己責任」の必要性−
- 現役世代と同じ保険原理の適用は困難(罹病率や一人当たり医療費の高さ等)
- 高齢者を一律に弱者とせず、能力に応じた負担を求める
介護保険及び年金制度との連携
新たな高齢者医療制度の提案
- (1) 対象者:
- 原則65歳以上。75歳以上の後期高齢者は保険料・自己負担を軽減。一定の所得以上の場合、現役世代並みの負担を求める。
- (2) 運営主体:
- 広域連合・一部事務組合を含む地方公共団体
- (3) 財源:
- 保険料+自己負担+公費
- 原則定率自己負担(65〜74歳:20%程度、75歳以上:10%程度)
一定基準以上の所得があれば、現役と同水準の自己負担
- 保険料(65〜74歳:15%程度、75歳以上:10%程度)
- 公費の増分は消費課税で賄う
- 老人保健拠出金は速やかに廃止
- (4) 診療報酬体系:
- 包括払いの要素を高める
- (5) 実施時期:
- 2002年度
- (6) 情報の共有:
- 高齢者やその家族、医療・介護サービス提供者の間で情報共有を可能とする地域の医療・介護ネットワークを構築
以 上
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