新しい経団連の運営 |
今回は、一般社団法人移行後の経団連の総会と理事会について説明します。
前回説明した法人法(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律)では、株式会社と同様に、総会が一般社団法人の最高議決機関となっています。そして株式会社の取締役に当たる理事会を設置する場合は、総会の機能を定款の変更等や理事の選定等に集中し、会の運営は理事会に委ねることとしています。
新しい経団連では、これまでの民主的な会の運営を維持する観点から、総会の機能を強化するため、定款によって、総会の決議事項を法で定められた事項よりも広げています。
第1に、入会基準や会費分担基準等の会の運営上の基準についても総会で議決するようにしました。第2に、代表理事である会長の選任をはじめ、副会長、事務総長等の主な役員を総会で直接選任できるものとしました。第3に、これまでの「総会決議」を新年度の事業方針として、予算とあわせて総会で議決するものとしました。
これまでの経団連の予算・決算・役員等人事は、5月半ばの理事会で議案を決定し、5月下旬の定時総会当日に会員に議案を示して議決してきました。新しい経団連の総会においては、これらの議案は、事前に会員各位に送付したうえで、書面による議決権行使もできるようにし、株式会社並みの透明で民主的な仕組みを整えました。議案書の送付から総会までの期間を十分にとるべきこと、開催通知の発送がこれまでより遅くなることから、総会の開催時期は、これまでの5月下旬から6月上旬に遅れることになります。会員各位には、ご理解のほどをお願いいたします。
法定事項 | 経団連新定款により付加した事項 |
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新しい経団連では、理事会は、株式会社の取締役会に当たる機関となり、総会に提出する議案の審議等、会の運営上の重要事項を審議することとなります。移行後の理事会は、会長(代表理事)、副会長(理事)、事務総長(代表理事)、事務局役員(業務を執行する理事)と監事によって構成されます。理事は株式会社の取締役並みの責任(忠実義務、善管注意義務等)を負うこととなります。理事会は、年2回以上開催され、決算の監査が終了した5月上旬の理事会において、総会提出議案を決定します。この際、決算については、株式会社と同様に、要件を満たせば、総会ではご審議いただかず、ご報告することになります。
一方、500名以上によって構成されていたこれまでの理事会は、幹事会(次号にて詳述)に衣替えします。これまでの理事会は、経団連が外部に公表する提言等や経団連の運営に関する事項について審議してきましたが、移行後は、提言等の審議を引き継ぐこととなります。