日本経団連はこのほど、厚生労働省、文部科学省から「新規学校卒業者の採用に関する要請」を受けた。松野博一文部科学副大臣ならびに渡辺孝男厚生労働副大臣が24日に来会し、文部科学、厚生労働の両大臣名による御手洗会長宛ての要請書を日本経団連側に手交した。要請内容は、(1)2010年3月卒業予定者のための採用枠の拡大(2)内定取り消し等により就職未決定のまま卒業した者の積極的な採用(3)早期の採用選考活動の抑制――が骨子。
要請に際し、渡辺厚生労働副大臣は、これまでの企業の採用努力に理解を示す一方、さらに経済環境が深刻化することも懸念される中での09年度の採用について、「新規卒業予定者に加え、就職がかなわずに卒業した者に対する就職の機会を拡大してほしい」と述べるとともに、「学生がキャリアアップを図り、社会で活躍できるように支援をお願いしたい」と強調。さらに就職活動の早期化についても、「学生が勉学に専念できる環境づくりに協力してほしい」と述べた。松野文部科学副大臣も「厚生労働省と協力して学生の支援をするので、ご配慮をお願いしたい」と述べた。
日本経団連では、新規学卒者等の採用について『大学卒業予定者・大学院修了予定者等の採用選考に関する企業の倫理憲章』を定め、企業に責任と秩序ある採用活動を呼びかけている。また、昨年12月に公表した『経営労働政策委員会報告』においても、内定取り消しについて「極力取り消しの回避に向けて努力すべき」ことを訴えている。