日本経団連タイムス No.2944 (2009年3月26日)

「日本経団連生物多様性宣言」を取りまとめ

−積極的取り組みへ決意表明/自然環境と事業活動の調和など


日本経団連は17日、「日本経団連生物多様性宣言」を取りまとめた。多種多様な生物が関わりあいながら存在(生物多様性)している自然界から、人類は計り知れない恩恵を受けているという認識が、世界的にも広がっている。他方で、その生物多様性は、地球規模で多くの問題を抱え、危機的状況に直面しているとも言われている。

また、来年10月には、「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が名古屋で開催されることとなっており、日本企業の生物多様性への取り組みが世界的に注目を浴びることが予想される。今回の「宣言」はその「生物多様性」に焦点を当て、この問題に積極的に取り組んでいくという決意を表明したものである。

宣言の草案づくりは、日本経団連自然保護協議会によって進められた。同協議会では、昨年4月、生物多様性ワーキング・グループを設置し、NGOや有識者、行政等との懇談、「生物多様性条約第9回締約国会議」(COP9)など国際会議への代表団派遣を通じた国際的NGOや国際経済団体等との意見交換、日本経団連主要会員企業を対象としたアンケートなどを行いつつ検討を重ねた。

生物多様性宣言は、7つの柱からなり、その概要は、(1)自然循環と事業活動との調和(2)グローバルな視点の重要性(3)事業活動に伴う生物多様性への影響低減活動と、社会貢献活動への自発的かつ着実な取り組み(4)資源循環の取り組みの継続(5)技術開発や経営革新の推進(6)NGOなど国内外の関係者との連携(7)生物多様性を育む社会づくりに率先して貢献する決意――である。

また、日本経団連会員企業が、宣言の趣旨を踏まえ、各社の強みを活かして、特色ある活動を行うことを期待して、15項目の行動指針が付してある。さらに、「行動指針の解説・手引き」と「企業活動事例集」が、4月を目途に作成される予定であり、各企業が具体的に活動する際の手引きとして、宣言と併せ活用されることが期待される。

宣言の全文は日本経団連のホームページ(URL=http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/026.html)を参照のこと。

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