日本経団連は、毎年10月を「企業倫理月間」と定め、企業行動の総点検などを通じて、会員企業に企業倫理の確立と徹底を呼びかけている。その一環として、会長からのメッセージの発出、企業倫理トップセミナーや企業の倫理担当者向けの研修会などを開催している。
今年は9月20日の理事会において奥田会長が「企業倫理徹底のお願い」を公表、会員企業に対し、あらためて企業倫理確立を求めた。
この中で奥田会長は、コンプライアンス体制の整備と見直しをする上で、「各社独自の行動指針の整備・充実」「企業倫理担当役員の任命や担当部署の設置等、全社的な取り組み体制の整備」「企業倫理ヘルプライン(相談窓口)の整備」を、またコンプライアンスの浸透と徹底として、「経営トップの基本姿勢の社内外への表明と具体的な取り組みの情報開示」「役員を含む階層別・職種別の教育・研修の実施・充実」「企業倫理の浸透・定着状況のチェックと評価」を、さらに不祥事が起きた場合の対応として、「適時適確な情報開示、原因の究明、再発防止策の実施、ならびにトップ自らを含めた関係者への厳正な処分」に取り組むよう求めている(9月22日号既報)。
また10月4日には、第4回企業倫理トップセミナーを開催、国広総合法律事務所代表で弁護士の國廣正氏の問題提起に引き続き、武田國男・日本経団連副会長・企業行動委員長の司会により、東京電力会長の田村滋美氏、弘中総合法律事務所弁護士・前検事総長の原田明夫氏、國廣正氏が参加してのパネルデイスカッションを行った(詳細次号掲載予定)。
なお、9月21、22日には、経団連ゲストハウスにおいて、企業の倫理担当者約50名が参加しての研修会を開催した。
日本経団連ではこうした取り組みなどを通じ、企業トップ自らが企業倫理の徹底における責務を自覚し、リーダーシップを発揮して、企業倫理徹底に向けて不断の努力を行うよう、継続して働きかけていく。