日本経団連は、毎年10月を「企業倫理月間」と定め、セミナーや研修会の開催などを通じて、企業行動の総点検等、会員企業に企業倫理の確立を呼びかけている。
そこで奥田会長は、20日の理事会において、今年10月の企業倫理月間を前に、会員企業に対し、あらためて企業倫理確立の重要性を訴えた。
なお、10月4日には「第4回企業倫理トップセミナー」を開催することとしている。
2005年9月20日 |
日本経済団体連合会 |
会長 奥田 碩 |
製品やサービスの品質や安全性に関わる事故、個人情報や顧客情報の漏洩・紛失、独占禁止法など市場のルールに違反する事件など、企業の重大な不祥事が相次いでいることは、極めて遺憾であります。
企業倫理の徹底は経営者の責務であり、経営者の確固たる信念と不断の努力こそが、不祥事防止の根幹であります。経営トップ自らが率先して企業倫理の徹底を繰り返し訴え、全社に浸透させていただきたいと存じます。
グローバル化やIT化の急速な進展により経営環境が大きく変化し、また社員の会社への帰属意識にも変化がみられます。このような社会の変化と企業活動の乖離が、不祥事に結びつくケースも多いと考えます。経営トップはこれを常に念頭において、経営にあたっていただきたいと存じます。
また、経営トップには、寸暇を惜しんでグループ企業も含めて隅々にまで足を運び、社員と対話を重ねていただきたいと存じます。そうすることにより、トップの考えが社員に浸透し、社員が使命感に燃え、緊張感を持ち、風通しの良い企業風土を築きあげることができると存じます。
以上の点を踏まえ、本年10月の企業倫理月間において、企業行動の総点検をお願いしたいと存じます。また、日本経団連の企業行動憲章を踏まえ、下記の項目の徹底に、社をあげて取り組まれるよう、重ねてお願い申し上げます。
各社独自の行動指針の整備・充実
企業倫理担当役員の任命や担当部署の設置等、全社的な取り組み体制の整備
企業倫理ヘルプライン(相談窓口)の整備
経営トップの基本姿勢の社内外への表明と具体的な取り組みの情報開示
役員を含む階層別・職種別の教育・研修の実施・充実
企業倫理の浸透・定着状況のチェックと評価
適時適確な情報開示、原因の究明、再発防止策の実施、ならびにトップ自らを含めた関係者への厳正な処分
以 上