経営タイムス No.2713 (2004年3月11日)
日本経団連の奥田碩会長は8日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。
会見の冒頭、独占禁止法改正への日本経団連の対応(詳細別掲)と、西武鉄道の総会屋への利益供与容疑に対する日本経団連の措置について、奥田会長から発言があった。
このうち、西武鉄道への措置については、日本経団連が1991年に企業行動憲章を定めて以降、反社会的勢力との決別を会員企業に訴えてきたにもかかわらず、今回のような事件が起こったことに対して「極めて遺憾」との所感を述べた。
その上で、西武鉄道からの申し出を踏まえ、同日に開催した定款第13条委員会(会員に対する措置を審議する機関)で、同社堤義明会長の日本経団連の理事退任と、同社の当分の間の活動自粛措置を決定したと発表した。
日本経団連の副会長人事については、「考えるべき要素がたくさんあることから調整に時間がかかっているが、4月上旬には決めて発表したい」と述べた。
また、奥田会長は、1ドル111〜112円台で推移している最近の為替水準を、「輸出企業にとっては居心地がよい水準」と評した一方、ユーロと米ドル両方で取引をしている場合には、ドル高の効果が相殺されると述べた。
景気については、「地方や中小企業には、まだ景気回復の実感が及んでいないところもあるが、今後、数カ月の間に波及効果が出てくるのではないか」との見方を示した。