[ 日本経団連 ] [ 機関誌/出版物 ] [ 経営タイムス ]

経営タイムス No.2707 (2004年1月29日)

日本経団連が福利厚生費調査結果発表

−過去最高の9万6755円/従業員1人1カ月平均、前年度比0.9%増に


日本経団連は21日、福利厚生費調査結果報告(2002年度)の概要を発表した。それによると、企業が負担した福利厚生費(全産業平均)は、従業員1人1カ月平均9万6755円(前年度比0.9%増)で過去最高となった。

福利厚生費のうち、社会保険料等の企業拠出分である「法定福利費」は、過去最高の6万8552円(同0.1%増)。一方、企業が任意に行う福祉施策に要する費用である「法定外福利費」は2万8203円(同2.9%増)で、1990年代後半から、法定福利費と法定外福利費はほぼ7対3の比率になっている。

月例給与と賞与・一時金を含めた現金給与総額(55万8494円、前年度比0.6%減)に対する福利厚生費の比率は、法定福利費が12.3%(同0.1%ポイント増)、法定外福利費が5.0%(同0.1%ポイント増)となっている。

法定福利費の増加は、雇用保険の保険料率が2002年10月から一般事業で15.5/1000(うち事業主負担分9.5/1000)から17.5/1000(うち事業主負担分10.5/1000)に変更になったことが影響したと思われる。

法定外福利費は、増加した項目と減少した項目とに分かれた。増加した主な項目は、医療・健康と慶弔関係、減少した主な項目は住宅関連と文化・体育・レクなどである。

退職金(退職一時金と退職年金の合計額)は、従業員1人1カ月平均8万7283円(前年度比8.4%増)で、現金給与総額に対する比率は15.6%(前年度14.3%)で、過去最高の水準となっている。

今回の調査では、多様化する福利厚生運用に対応するため、福利厚生のアウトソーシング費用や、カフェテリアプランとして使われた費用などを初めて調査した。
福利厚生代行サービス費(アウトソーシング費用)は、全産業・従業員1人1カ月平均で242円であった。また、カフェテリアプラン導入企業(30社)のみで集計すると、法定外福利費3万2635円のうち、2948円(9.0%)を、カフェテリアプランとして配分しているという結果となった。

◇ ◇ ◇

同調査は、福利厚生費を中心に現金給与総額・退職金等、企業が負担する人件費を調査する目的で、1955年から毎年実施している。
今回の調査対象企業は、日本経団連会員企業と日本経団連加盟の業種団体所属企業で、回答社数は700社(前回636社)。企業1社当たりの平均従業員数は3804人(同4145人)、平均年齢は39.5歳(同39.8歳)である。なお、今回は調査対象企業を拡大したことで、前年度と比べ数値の変動が大きくなっている。
詳細な報告書は2月中に発行予定。同調査に関する問い合わせは、日本経団連労働政策本部雇用・労務管理グループ(電話03−5204−1913)まで。


日本語のトップページ