[ 日本経団連 ] [ 機関誌/出版物 ] [ 経営タイムス ]

経営タイムス No.2699 (2003年11月13日)

日本経団連、企業倫理研修会開く


日本経団連は10月30、31の両日、静岡・小山町の経団連ゲストハウスで「企業倫理研修会」を開催した。企業倫理をテーマに宿泊研修会を実施するのは初めての試み。企業の役員、担当者ら54名が参加した。同研修会では、4人の講師から、企業倫理に関する最近の動向や企業における具体的な取り組み、企業倫理確立に必要な対策について説明を聞くとともに、「ケース・メソッド」による参加者間の議論も実施。企業倫理やコンプライアンスの問題は、業種や業態によって事情が異なるものの、各社が抱える課題や悩みには共通するものが多く、参加者は活発に意見・情報を交換した。

日本経団連が、昨年10月の企業行動憲章改定にあわせて、会員企業を対象に実施したアンケート調査では、企業の取り組みが遅れているのは「企業倫理の浸透・定着状況のチェックと評価」、また、企業が特に重点的に取り組もうとしているのは「教育・研修の実施・充実」との結果が出た。そこで同研修会の1日目には、経営倫理実践研究センター(BERC)の松本邦明専任講師から「経営倫理の実践教育とモニタリング」と題する講演を、また、中村暢彦・日本電気・企業行動推進部統括マネージャーからは、日本電気における企業倫理徹底に向けた取り組みに関する講演を聞いた。

2日目には、梅津光弘・慶應義塾大学専任講師をコーディネーターに、「ケース・メソッド」という手法を用いて、2つの事例に基づく参加者討議を実施。参加者はグループに分かれて討議した後、グループごとに討議内容の報告を行った。
次に、「コンプライアンスをめぐる個別法領域の最近の傾向」をテーマに、森・濱田松本法律事務所の浜辺陽一郎弁護士が、消費者保護法制や労働法、個人情報保護法、知的財産権保護に係わるコンプライアンスをめぐる諸問題を、法的な側面から説明した。

◇ ◇ ◇

日本経団連は昨年10月に「企業行動憲章」を改定した際、企業倫理確立に向けた会員企業の自発的・継続的な取り組みを支援していくために、毎年10月を「企業倫理月間」とすることを定めた。これを受けて、今年の企業倫理月間の取り組みとして、10月21日に「第2回企業倫理トップセミナー」(前号既報)を開催。今回の研修会は、それに続く企画として実施したもの。


日本語のトップページ