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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 共同記者会見における十倉会長・筒井次期会長候補発言要旨

2025年3月25
一般社団法人 日本経済団体連合会

【十倉会長(冒頭発言)】

1月14日の会長・副会長会議で内定したとおり、次期会長には筒井義信日本生命保険会長にお務めいただく。

筒井会長は、長年、日本有数の機関投資家である日本生命での経験があり、幅広い産業に精通している。また、全国に張り巡らされた支店のネットワークを通じて地域経済・社会にも明るく、さらにグローバルに事業を展開している点も強みである。

人格、識見、経営手腕にすぐれた経営者であり、また、特に財政や社会保障等の問題への造詣が深く、現在も経団連副会長として経団連活動を支えてもらっている。次期経団連会長を務めていただくにふさわしい方だと考えている。

解決すべき課題が山積し、さらに内外の環境が目まぐるしく変化するなか、日本経済の持続的な成長の実現には難しい舵取りが求められる。筒井次期会長には、これまでのご経験を活かし、「FUTURE DESIGN 2040」に掲げた、成長と分配の好循環、そして、公正・公平で持続可能な社会の実現に向けて経済界をリードしていただきたい。

今後は5月7日の理事会を経て、5月29日の定時総会をもって、正式に就任予定である。

【筒井次期会長候補(冒頭発言)】

微力ではあるが、十倉会長をはじめ、歴代会長のたゆまぬ取り組みを受け継ぎ、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与すべく、全力を尽くす所存である。

「少子高齢化・人口減少」「資源・エネルギー制約」「環境問題」「国際秩序の不安定化」など、わが国経済が克服すべき課題は山積している。

こうした中、十倉会長がまとめられた「FUTURE DESIGN 2040」は、「成長と分配の好循環」を通じて「公正・公平で持続可能な社会」を構築することにより、わが国が抱える課題解決に向け確かな方向性を示すものと受け止めている。次期会長として、これを着実に実現してまいりたい。

他方、わが国を取り巻く状況は、私の会長内定以降だけをみても、混迷の度を深めている。米国のトランプ大統領が打ち出す政策は、これまでの国際秩序を大きく揺るがしている。また、国内では、石破総理が大変な努力を払われているが、政策実現に向けた安定的な枠組みが確立されているとは言えない。

そこで、会長就任後できるだけ早期に、「FUTURE DESIGN 2040」実現に取り組むロードマップを策定したいと考えている。

内政・外交ともに極めて不確実性が高い時代だからこそ、企業がフロントランナーとして、わが国の進むべき道を示し、強い覚悟を持って未来を切り拓いていく決意である。これまで自分が重視してきた「中長期の視点」と「日本全体の視点」を大切にしながら、職務を全うし、将来世代への責任を果たしてまいりたい。

そのためには、会員企業や、政府・行政等の各界の皆さまと丁寧にコミュニケーションをとることはもとより、報道機関の皆様方との対話も極めて重要である。今後も様々な意見交換をさせていただきたい。

【筒井次期会長候補(重点課題)】

〔就任後に特に重点的に取り組みたいことを問われ、〕「FUTURE DESIGN 2040」の実現に向けたロードマップの策定に取り組みたい。実行フェーズであることを意識しながら、重点課題を掲げ、分野・組織横断的に取り組む必要がある。具体的には現時点で五つの重点項目を掲げている。

一つ目は、「イノベーション」である。「科学技術立国戦略会議(仮称)」を新設し、科学技術立国への道筋を描いていきたい。

二つ目は、「税・財政・社会保障の一体改革」である。社会保障の給付と負担のあり方を見直し、税・財政と一体の全世代型社会保障改革に取り組む。

三つ目は、「地方創生」である。石破総理も「広域リージョン連携」を掲げられている。経団連は「新たな道州圏域構想」を掲げており、その実現を目指す。その際、各地方経済団体としっかり連携していくことが重要である。

四つ目は、「生産性向上に向けた労働改革」である。物価に負けない賃金引上げを持続させるためには、企業の生産性向上が不可欠である。円滑な労働移動や、裁量労働制等の労働法制の抜本的な見直しに取り組んでいく。

五つ目は、「経済外交」である。米中との関係は当然重要であるが、非常に複雑な国際情勢の中で、グローバルサウスとパートナーシップを構築していく重要性が高まっている。経団連は、「グローバルサウス委員会」を設置し、重点的に取り組んでいく。

課題が相互に絡み合う「入れ子構造」を成しているため、部分最適ではなく全体最適を図る観点が重要であり、掲げた課題に分野・組織横断的に取り組んでいく。

【筒井次期会長候補(内政・外交)】

〔トランプ米大統領の就任等により不確実性の高まる国際情勢にどう向き合っていくか、また自公が少数与党となり不安定な政権運営となっている中での政治との関わりについて問われ、〕まず外交について、重視すべきと考えることは二つある。一つ目は、法の支配に基づく自由・公正で開かれた国際経済秩序を基本理念に掲げて取り組んでいくことである。二つ目は、ESGに対する逆回転の動きへの対応である。反ESGの動きに対し、脱炭素の推進、人権の尊重、多様性の確保が人類の共通価値であることを掲げ、取り組んでいくことが重要である。

次に内政については、政治の安定と政策本位の議論が何より重要である。山積する重要な政策課題の解決に向けて努力していく上で、政治との対話と連携は基本であり、精力的に取り組んでまいりたい。

【筒井次期会長候補(新体制のキーワード)】

〔新体制のキーワードについて問われ、〕私自身の思考体系、行動様式として染みついているのは「中長期の視点」と「日本全体の視点」であり、この視点は貫いていきたい。

「中長期の視点」について、保険商品も資産運用も、当座の意思決定に際して常に中長期の視点に立って考える必要がある。そうして培った視点は経団連会長という立場でも活かしていきたい。

「日本全体の視点」については、閉じた日本ではなく、世界に開かれた日本という前提である。その上で、私自身が様々な地域で顧客、企業、自治体およびその地域で働く社員と接する中で得た知識や感性を活かしていきたい。

加えて、「将来世代への責任」を明確に意識し、打ち出していきたいと考えている。今、社会保障制度の持続可能性の問題などにより、現役世代、特に若年世代に漠然とした不安が広がっている。そうした不安を一つずつ希望に変え、希望を形にして実現していくことが必要である。

【筒井次期会長候補(社会保障改革)】

〔社会保障改革を進める上での課題認識を問われ、〕「税・財政・社会保障の一体改革」を目指す上で、社会保障の給付と負担のあり方の見直し、とりわけ現役世代に負担が偏る構造になっていることが課題である。応能負担の徹底が必要であり、その原則に基づいた改革を進めなければならない。社会保障制度の将来見通しが厳しいものであったとしても、現役世代を含む将来世代に状況を見える化した上で、速やかに改革に取りかかることが重要である。

経団連が既に「FUTURE DESIGN 2040」で提言しているとおり、政府において、一体改革を総合的に検討する組織を新たに設置すべきである。

【筒井次期会長候補(大阪・関西万博)】

〔大阪・関西万博について問われ、〕開幕(4月13日)まで残り3週間を切っており、私個人としても非常に楽しみにしている。石破総理や十倉会長をはじめ関係者のこれまでのご尽力に敬意を表したい。

私が経団連会長に就任(5月29日)するのは、大阪・関西万博が開幕して1カ月半が経つ頃であり、おおいに盛り上がっていることを期待している。経団連としては、引き続き積極的な情報発信を行うことで、機運を一層高め、来場者数の加速度的な増加に寄与したいと考えている。ぜひマスコミの皆様方と一緒に万博を盛り上げていきたい。

【筒井次期会長候補(出身会社の特性)】

〔規制業種である生命保険業界出身の会長として政府に対してどのような姿勢で提言をしていくか問われ、〕生命保険事業は非常に公共性が強く、それゆえに行政当局からの規制が細部にまで行われている。ただし、規制は顧客や社会を守るために存在するものであって、業界を守るためのものではない。また、業界が規制に守られてきたとは思っていない。

規制業種の出身であるがゆえに、正論を発信できない、あるいは政府に物を申しづらいのではないかと見られていることは承知している。そのようなことがあってはならず、人一倍、肝に銘じて取り組んでいく。

私自身、政治や行政と数多く関わってきた経験を前向きに活かし、発信に努めていきたい。

〔非上場の相互会社出身であるがゆえに、コーポレートガバナンスの旗振り役でもある経団連会長への就任を疑問視する声があることについて問われ、〕そうした意見があることは承知している。非上場の相互会社であることから、経営の透明性に欠けるという批判を長く受けてきた。懸念の声を肝に銘じて経団連会長の職務を全うしていく。

他方、非上場の相互会社であるがゆえに、中長期の視点を持てる、社会性の視座を持てるといった特長があるとも考えている。加えて、機関投資家として投資先企業との対話に取り組んできており、幅広い業種で個々の企業が自ら適切なガバナンス体制を構築している実態について了知している。そうした知識と経験を活かし、各企業が自ら適切なガバナンス体制を構築していくよう、経済界の取りまとめ役を担っていきたい。

以上

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