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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 記者会見における榊原会長発言要旨

2017年3月6日
一般社団法人 日本経済団体連合会

【審議員会副議長候補者の内定】

本日の会長・副会長会議において、5月8日の理事会で選任される審議員会副議長の候補者を内定した。5月31日の定時総会をもって、伊藤一郎副議長、下村節宏副議長、日覺昭廣副議長の3名が退任する。また、山内隆司副議長は副会長への就任により退任する。新たな候補者として、遠藤信博日本電気会長、小堀秀毅旭化成社長、片野坂真哉ANAホールディングス社長を内定した。この3名に加えて、2015年に選任され、今回再任される副議長を候補者として、5月8日の理事会に諮る。なお、再任、新任の審議員会副議長の就任日は5月31日となる。

経団連活動の重要な指針はグローバリゼーションとイノベーションであり、Society 5.0をはじめとする重要政策課題を強力に実行していく観点から、選任した。審議員会議長・副議長は岩沙議長の下、新たに21名の体制となる。審議員会には、これまでも経団連の活動について熱心に議論いただいている。今後も各業界の代表的な企業トップから執行部とは別の視点で様々な助言や意見をもらいたい。

【東日本大震災からの復興】

今週の3月11日で東日本大震災の発生から6年が経過する。関係者の多大な尽力により、被災地では生活面での基盤整備が着実に進められてきた。他方、産業・生業の再生は風評被害の影響もあり、未だ道半ばにある。真の復興を実現するためには、地域経済の基幹である観光・農林水産業に対する風評被害を根絶する必要がある。そこで今般、風評被害を少しでも食い止め、東北産品の消費拡大および東北への観光を促す観点から、「風評なんか吹き飛ばせ! 行こう!食べよう!東北応援シンポジウム」を開催する。復興庁・福島県から風評被害の現状と課題等について説明を受けるとともに、現地で果敢に風評被害に立ち向かっている農業界、観光業界の関係者とのパネルディスカッションを行う。シンポジウムを通じて、風評払拭に向けた突破口を見出すとともに、経団連と復興庁による共同アピールをとりまとめ、経済界・政府が引き続き被災地の復興に取り組む姿勢を明確に示していく。

【経済情勢】

3月8日に2016年10-12月期のGDP成長率の第2次速報が発表される。第1次速報では前期比年率プラス1.0%と4四半期連続でプラス成長となった。先に発表された法人企業統計では設備投資に明るい兆しがあり、上方修正されることが期待される。このように景気は総じて持ち直しの動きが続いている。消費については、暖冬の影響もあって、足踏み状態が続いているが、賃金引上げの状況を踏まえながら、先行きを見ていく必要がある。3月15日の春季労使交渉集中回答日以降、良い結果が出てくることを期待したい。

【働き方改革】

残業時間の上限規制とインターバル規制について、3月中旬までに労使で合意形成できるよう、事務レベルでの協議を続けている。今回の働き方改革の最大のポイントは働き過ぎの風潮、文化を変えることである。長時間労働が労働者の健康増進、女性の社会進出、男性の育児参加などに向けた障害となっており、これを是正していくことは様々な観点で重要である。

サービス残業については、存在しないのが原則であり、存在するようであれば、根絶しなければならない。

【プレミアムフライデー】

実施時期について、月末はただでさえ忙しく、週末の金曜日となればなおさらであり、月末よりも月初や月の中ごろが良いとの意見もあった。一方、多くの企業の給与支給日が25日であり、その後の方が消費拡大は期待できるため、月末金曜日をプレミアムフライデーとした。

2月24日の第1回プレミアムフライデーでは、メディアで大々的に報道されるなど大いに盛り上がり、所期の成果は得られた。一方、いくつかの課題も明らかになった。例えば、東京など一部の都市では盛り上がったが、地方ではまちまちであり、盛り上がりに欠けたとの指摘がある。プレミアムフライデーを全国にいかに浸透させていくかが最大の課題であると認識している。経団連としても、地方経済懇談会などの場を通じて、プレミアムフライデーの意義を訴え、参画してもらうよう、粘り強く普及に努めていく。開催を重ねていくことで、課題も見えてくるので、その都度克服していきたい。滑り出しとしては順調であり、3月以降もこの勢いを弱めることなく取り組みを続けていく。

【日米関係】

トランプ大統領の政策に対しては、期待と不安が交錯している。期待については、産業促進的な政策であり、トランプ大統領が掲げるインフラ投資、減税、規制緩和のいずれも米国経済にとってプラス材料になる。堅調な米国経済はこうした政策の後押しを受けてさらに強くなり、世界経済にもプラスの効果をもたらすだろう。こうした追い風によって、日本経済の再生が加速することを期待したい。一方、不安は通商政策であるが、具体的な政策はこれからであり、予断を持たずに注視していくことが必要である。

経団連としても、米国に対して様々な働きかけを行っていく。第一弾として、今般、吉田審議員会副議長を団長に女性幹部によるミッションを派遣した。第二弾として5月にもアメリカ委員会が経済ミッションを派遣する。秋には私が参加することも含めて、第三弾のミッションを計画している。大事なことは連邦政府だけでなく、州政府、とくにラストベルトに位置する州を訪問し、日本経済界のスタンスや米国経済への貢献をきちんと発信していくことである。

【北朝鮮による弾道ミサイル発射】

北朝鮮のミサイル発射は断じて容認できない。国連安保理決議に違反するのみならず、わが国の安全保障という観点からも事態を大変憂慮している。わが国だけでなく、北東アジア、世界の安全保障にとって北朝鮮のミサイルと核開発は重大な脅威であり、今回の暴挙は甚だ遺憾である。政府には、迅速に情報収集を行い、国際社会とも緊密に連携して、しっかりとした対応を取ってほしい。

以上

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