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会長コメント/スピーチ  会長コメント 豊田名誉会長のご逝去に際しての十倉会長談話

2023年2月15日
一般社団法人 日本経済団体連合会

豊田章一郎さんの訃報に接し、深い悲しみと大きな喪失感に包まれています。

豊田さんは、日本社会が冷戦終結、バブル崩壊といった内外の未曾有の変化に晒され、長期的な経済低迷に喘ぐ中、強い危機感を胸に、不退転の決意で経済界をリードされました。

活力と創造性ある経済社会を目指し、「大胆に構想し、着実に実行する」を基本姿勢、「変革・創造・信頼」をスローガンに、法人税率の引き下げをはじめとする税制改革や規制制度改革など、様々な構造改革に次々と取り組まれ、大きな成果をあげられました。

厳しい現状と将来展望、目指す国の姿、課題解決の道筋を明示すべく、「魅力ある日本 -創造への責任-」と題する経団連ビジョンを公表されました。経団連が長期的な国家ビジョン、世界観を世に問う嚆矢となる英断であり、暗中模索の日本社会に一石を投じる壮挙でありました。同時に、ビジョンに描いた理想の実現に向け、経団連の政策面の強化を期すべく、シンクタンク「21世紀政策研究所」を設立されました。

精力的に民間外交を展開された姿は多くの方々の記憶に刻まれています。会長在任の4年間で20回、米国、中国はじめ35カ国を訪問されました。会長退任後も、2005年「愛・地球博」の誘致と開催に尽力し、成功に導かれました。

豊田さんは常に現場を大事にし、現地の方々に思いを寄せるリーダーでした。阪神・淡路大震災の被災地で、不自由を強いられる方々に寄り添い、復興に向けた経済界の取り組みを主導されました。アフリカの難民キャンプにも足を運び、現地の状況を直接把握し、国際貢献のあり方を探られました。

政策重視、行動第一という豊田さんの基本姿勢は、経団連の行動規範「Policy & Action」に継承されています。「魅力ある日本」に至るまで課題山積、険路が続きますが、経団連の総力を挙げ、一丸となって挑戦を続けてまいります。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

<ご参考>
豊田章一郎経団連会長の就任期間: 1994年5月27日~1998年5月26日

以上

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