このたびの大隅良典栄誉教授のノーベル医学・生理学賞受賞は、大変喜ばしく心からのお祝いを申し上げる。日本人として誠に誇らしく思う。

受賞理由となった「オートファジー（自食作用）のメカニズムの発見」は、生命活動の基本的な仕組みを明らかにするものである。これによって、人類が直面するがんやアルツハイマー病等の病理の解明や治療に向けた創薬が期待され、今回の受賞にふさわしい。

2000年以降、自然科学の分野で日本人のノーベル賞の受賞者数は米国に次ぐ多さであり、日本の科学技術水準の高さを証明している。わが国には、ノーベル賞候補となる優れた研究成果を持つ科学者が多数存在しており、今後の受賞についても大いに期待できる。

科学技術はわが国の長期にわたる発展の要である。経済界としても、こうした世界最高水準の基礎研究を基盤として、イノベーションの創出に努めていきたい。