(一社)日本経済団体連合会
ブラジル全国工業連盟
日本とブラジルは、本年11月、外交関係樹立130周年を迎える。両国は、20世紀初頭以来、営々として築かれてきた日系人コミュニティをも礎に、長年にわたり、政治、経済、文化、人材等様々な分野で交流を深め、緊密な関係を築いてきた。経済面では、両国は相互補完的な関係にあると同時に、戦略的にも極めて重要なパートナーである。日本からの投資は、雇用の創出や産業の近代化、第三国への輸出拡大を通じてブラジル経済社会へ貢献する一方、ブラジルは多様な農畜産物の安定供給により日本の食料安全保障を確保するとともに、中間財の供給を通じて日本の製造業と経済の安定を支えている。
日本とブラジルの産業網の統合を強化し、新産業化と共同研究開発協力を促進することは、より強靭で革新的な経済パートナーシップを構築するための戦略的手段となる。産業連携を深め、生産プロセスにより多くの価値を統合することで、両国はグローバルバリューチェーンへの関与を強め、高付加価値商品を生み出し、経済の多様化を促進することができる。このような協力は、サプライチェーンの効率性、持続可能性、競争力を高めるだけでなく、クリーンエネルギー、デジタルトランスフォーメーション、産業オートメーションなどの分野における発展も促す。
世界が分断と対立を深め、多くの地球規模課題に直面するなか、アジア、南米の主要国であり、G20メンバーでもある日本とブラジルは、世界の平和と安定ならびに持続可能な発展に向けて、主導的な役割を果たすことが期待されている。また、両国の経済連携の強化により、地域間及び国際協力の強化や、開かれた市場、産業競争力、強靭な貿易ネットワークの促進にもつながる。
こうしたなか、日伯経済界は、エネルギー・トランジションやカーボン・ニュートラルの実現、食料の安定供給、さらにはデジタル変革の推進など、世界経済が直面する目前のチャレンジをチャンスと捉え、多くの連携可能性を活かすことで、両国は、イノベーションの推進、産業競争力の強化、さらなる経済的繁栄を果たすことができよう。
今後、日伯両国が、先人が築いた強固な基盤の上に、次なる段階へと歩を進めるにあたり、我々は、中長期にわたり盤石な日伯関係構築に資する制度的基盤として、日本メルコスールEPAの早期実現を強く求めるものである。日本とメルコスール各国の経済団体との共同提言(2024年11月)に掲げた通り、日本メルコスールEPAの早期実現に向けて、外交関係樹立130周年を迎える今こそ日伯両国首脳の強力なリーダーシップの発揮が求められる。