

経団連は、内閣府および文部科学省と連携し、女子学生を中心に、理工系分野への関心を高めるためのイベント「夏のリコチャレ(理工チャレンジ)~理工系のお仕事体感しよう!」の開催を会員企業・団体に広く呼びかけている。
2月26日、2025年度の「夏のリコチャレ2025」開催に向けた説明会をオンラインで開催した。内閣府と文科省が、イベントの概要や25年度の募集要項等を説明した後、古河電気工業人材・組織開発部の浅井俊絵組織開発課長、三井住友建設D&I推進部の佐藤伸夫氏が開催事例を紹介した。概要は次のとおり。
■ 理工系女性の育成に向けた政府の取り組み(内閣府、文科省)
わが国の大学(学部)の理工系の学生や研究者の採用に占める女性の割合は2~3割程度にとどまっている。OECD諸国と比較して低水準であり、長年の課題である。内閣府では、次代を担う学生が、理工系分野に興味・関心を持ち、将来の自分をイメージして進路を選択することを応援する取り組み「理工チャレンジ」の一環として、経団連、文科省と共に、女子中高生等を対象に、理工系分野の職場体験やオープンキャンパス、女性先輩社員との交流等の機会を提供する「夏のリコチャレ」を15年から毎年度開催している。24年度は、119団体、228イベントに6900人以上が参加した。25年度も、7月中旬から8月下旬を中心に、夏休み期間に開催する。
文科省でも、女性の理工系人材の育成に関連した取り組みとして、女性研究者・技術者、大学生と交流する機会や、出前授業等を提供している。また、学校現場におけるアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)の払拭を目的とした教員研修プログラムや、保護者向け啓発資料の作成を通じ、学校現場や親の意識改革にも努めている。
■ 各企業・団体における取り組み
古河電気工業は、技術開発やものづくりを通じて働くことの面白さを知り、進路の選択肢を増やすきっかけにしてほしいという思いのもと、会社紹介やオフィス見学、女性社員との交流会を実施するとともに、同社の技術を用いた技術体感プログラムを開催した。参加者からは、「理系の女性が活躍している姿を見て、進路選択の参考になった」などの感想が寄せられた。
三井住友建設は、「橋・ビルのふしぎ発見」をテーマに、クイズ形式の座学を実施したほか、仮想現実(VR)やBIM(Building Information Modeling)(注)、3Dスキャナ等を用いながら、橋梁・ビルの構造、その建設方法を体験できるコーナーを設けた。参加した全学生から高い評価を得ただけでなく、社員も多くの笑顔や感動に触れることができた。25年度も時間配分や体験内容を工夫し開催する予定である。
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「夏のリコチャレ2025」の詳細およびイベント登録については、内閣府ウェブサイトを参照。
理工チャレンジ(リコチャレ)
https://www.gender.go.jp/c-challenge/
(注)コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデルを再現するシステム
【ソーシャル・コミュニケーション本部】