
十倉会長(右)と筒井次期会長候補
経団連の十倉雅和会長と筒井義信次期会長候補(副会長、日本生命保険会長)は3月25日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
冒頭、十倉会長は、筒井次期会長候補について、経団連会長にふさわしい方と述べたうえで、「日本経済の持続的な成長の実現には難しいかじ取りが求められる。筒井次期会長候補には、『FUTURE DESIGN 2040』(FD2040)で掲げた成長と分配の好循環、公正・公平で持続可能な社会の実現に向けて、経済界をリードしてほしい」と語った。
続いて筒井次期会長候補が発言。「少子高齢化・人口減少、資源・エネルギー制約、環境問題、国際秩序の不安定化など、わが国経済が克服すべき課題は山積している。こうしたなかまとめたFD2040は、成長と分配の好循環を通じて公正・公平で持続可能な社会を構築することにより、わが国が抱える課題の解決に向け確かな方向性を示すものである。次期会長として、これを着実に実現していきたい」と述べた。
そのうえで、内外の政治経済情勢に触れながら、今後の取り組みの方向性について、「会長就任後できるだけ早期に、FD2040実現に取り組むロードマップを策定したいと考えている」と言及。現時点での重点項目として、(1)イノベーション(2)税・財政・社会保障の一体改革(3)地方創生(4)生産性向上に向けた労働改革(5)経済外交――の5点を挙げつつ、「課題が相互に絡み合う『入れ子構造』を成している。このため、部分最適ではなく全体最適を図る観点が重要であり、掲げた課題に分野・組織横断的に取り組む」と説明した。
さらに、「内政・外交共に極めて不確実性が高い時代だからこそ、企業がフロントランナーとして、わが国の進むべき道を示し、強い覚悟を持って未来を切り開いていく。これまで自分が重視してきた『中長期の視点』と『日本全体の視点』を大切にしながら、職務を全うし、将来世代への責任を果たしたい」と決意を表明。そのためにも、報道機関の皆さまと意見交換していきたいとの意向を示した。
【広報本部】