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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年3月13日 No.3675 サヘル・ローズ氏初監督映画「花束」特別上映会を開催

右からサヘル氏、李氏、岩井氏、ブローハン氏

経団連は1月28日、東京・大手町の経団連会館で、俳優として活躍するサヘル・ローズ氏初監督映画「花束」の特別上映会およびアフタートークセッションを開催した。約400人が出席した。

同映画は、児童養護施設で育った若者8人が実際にキャストとして出演。インタビューや演技を通じて、子どもの貧困や社会的な孤独・孤立といった日本社会が抱える課題と、当事者である子どもたちがどのように希望を見いだしているか――を表現した作品である。

アフタートークセッションには、監督のサヘル氏をはじめ、エグゼクティブプロデューサーの岩井俊二氏、キャストのブローハン聡氏、子どもの貧困支援を行っているLearning for Allの李炯植代表理事が登壇した。

サヘル氏は、子どもだけでなく、多様性を推進している現実社会の一方で取り残され、孤独を感じている大人も救いたいと、同映画に込めたメッセージを語った。

ブローハン氏は、養護施設で育った過去や虐待を受けた経験を回想しつつ、同映画が過去の自分と向き合うきっかけとなっただけでなく、自分以外の何かを演じ、抑圧していた感情を吐き出すことで、メンタルケアの場にもなったと振り返った。

岩井氏は現在、子どもへの具体的な支援やさらなる啓発活動につなげることを目的に、全国で同映画を無料上映することを目標とする「花束プロジェクト」を実施している。同映画の制作に携わり、当事者に対する「尊敬」や「リスペクト」の思いが湧き上がったことがプロジェクトを始めるきっかけになったと言及。同映画を見た一人ひとりが、前向きな気持ちで当事者を応援する機会にしたいと、プロジェクトに対する抱負を述べた。

李氏は、家族との温かい時間を過ごした経験のないまま、身体だけが成長していく子どもたちが今も多く存在していると指摘。見た目は他の人と何ら変わらないものの、「見えない傷」を負っている子どもに対する理解と支援の必要性を訴えた。

映画「花束」
https://hanataba-project.com/

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

「花束」について

さまざまな感情を、思いを抱きながら児童養護施設で育った若者たちが主人公
ドキュメンタリーでもフィクションでもない、当事者が自ら表現した実験映画「花束」
きらびやかな日本が抱える大きな闇、その犠牲になっているコドモたち
その当事者である彼らが見つめる一筋の光とは?
大人が幸せじゃないと、子どもは幸せになれない
大人が救われ、子どもがいつも笑顔でいられる世界を願っている

~サヘル・ローズ~

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