経団連事業サービス(十倉雅和会長)は3月21日、東京・大手町の経団連会館で、次代を担う経営リーダーの育成を目的とする年間研修「経団連フォーラム21」(チーフアドバイザー=十倉会長)の第34期修了式を開催した。講座修了に当たり、同期生37人が10カ月にわたる研鑽を経て自らの志を改めて見つめ直すとともに、さらなる飛躍に向けた覚悟を語り合った。同フォーラムのアドバイザーを務める山内雅喜ヤマトホールディングス参与、寺島実郎日本総合研究所会長、米倉誠一郎CRソーシャル・イノベーション・スクール学長が出席し、修了生への祝辞と激励の言葉を贈った。
■ 山内アドバイザー
われわれは今、大きなうねりの真っただなかにいる。この激動の時代を生き抜くためには、情報に惑わされず、自分自身で物事を深く考え、その実態を見誤らないことが重要である。当フォーラムで得た知見や人的ネットワークは、参加者一人ひとりにとって大きな財産になるものであり、それぞれの分野でマネジメントに生かしてこそ価値が生まれる。これからの時代をつくる当事者としての意識を持ち続け、修了生として新たなスタートを切ってもらいたい。
■ 寺島アドバイザー
経営とは時代認識である。今自分が生きている時代を的確に認識しなければ、企業の経営は成功しない。このことは講座のなかでも一貫して強調してきた。当フォーラムに参加することで、経営者として持つべき時代認識を磨き、メンバーとの相互研鑽を通じて、大いに目が開かれたことと思う。ここで培われた同期との絆は、課題解決力を有したユニットに成長している。このユニットを大いに活用し、国際比較において埋没しつつある日本経済を自分たちが立て直すという気概を持って、それぞれの立場で自らの役割を果たしてもらいたい。
■ 米倉アドバイザー
株価が史上最高値を更新し、失われた30年が終焉を迎えたようにもみえる。真に日本を再生させるためには、上場している一部の大企業だけではなく、中小企業も含めた全体の底上げが必要である。日本再生に向けた追い風は確かに吹いている。前途には、ウェルビーイングで、パーパスフルで、イノベーティブなフロンティアが広がっている。ここに集ったメンバーが勇気を持って一歩を踏み出し、新しい世界を創造していくことを切に期待する。
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「経団連フォーラム21」は、多岐にわたる内容の座学講座をはじめ、参加者がグループで討議する合宿講座、社会課題を体感するフィールドスタディ、芸術への理解を深める文化講座など、多彩なプログラムを提供している。一連のプログラムを通じて、広い視野、深い思考、新たな時代認識を習得するとともに、企業や業種の枠を超えた相互の研鑽の場を通じて、経団連ならではのネットワークを形成している。1990年の開講以来、1107人に上る経営人材を送り出し、経団連会員企業のトップに就任した修了生も輩出している。第35期は5月29日に開講予定で、現在参加者を募集している。対象は経団連会員企業の役員・部長クラスで、定員は35人。参加申し込み、問い合わせは、経団連事業サービス研修グループ(電話03-6741-0042)まで。
24年度/第35期経団連フォーラム21
https://www.keidanren-jigyoservice.or.jp/seminar/cat3/a6ec2796e2a4e4c28d229adc9bf0214d5e9a2d20.html
【経団連事業サービス】