経団連(十倉雅和会長)の安永竜夫副会長・日本ブラジル経済委員長は1月17日、岸田文雄内閣総理大臣を訪問した。2023年11月29日に東京・大手町の経団連会館で開催した「日本メルコスールEPAの早期実現を目指すシンポジウム」において取りまとめた声明を建議した。
安永副会長は、メルコスール(南米南部共同市場)は人口約3億人、GDP2兆ドル超の一大経済圏であり、豊富な資源・食料供給力を備えていることから、日本にとって重要な地域であると強調。また、水力、風力等の豊富な再生可能エネルギーを有するメルコスールと、高い技術力を持つ日本企業との連携のポテンシャルは高いと述べた。
他方、メルコスールとのFTA交渉については、EU、韓国などが先行しているのに対し、日本は交渉開始に至っていないことに強い危機感を表明。メルコスールとの経済連携の一層の強化のためにも、その制度的基盤となる日本メルコスールEPAを早期に締結することが不可欠であると訴えた。24年は、ブラジルがG20の、ペルーがAPECの議長国を務めるなど、国際的に注目が集まる南米イヤーであるため、この機を逃すことなくメルコスールに対する日本の存在感を高めるよう要望した。
これに対して岸田首相は、日本とメルコスールとの経済関係強化のあり方について引き続き議論し、経済界とも連携してさらなる関係強化に取り組んでいきたいと応じた。
【国際協力本部】