経団連は7月6日、韓国・ソウルで、カウンターパートである韓国の全国経済人連合会(全経連)と日韓産業協力フォーラムおよび日韓・韓日未来パートナーシップ基金の第1回運営委員会を開催した。概要は次のとおり。
■ 連携協力の深化を模索~日韓産業協力フォーラム
日本と韓国は、長年にわたり政治・経済・文化などでさまざまに交流してきた。今般、未来志向の日韓関係構築に向けた産業協力の発展の可能性を探るため、日本側からは十倉雅和経団連会長、韓国側からは全経連の金秉準会長職務代行をはじめ、両国の官民の代表者が参加して日韓産業協力フォーラムを開催した。
同フォーラムには、李昌洋産業通商資源部長官と松尾剛彦経済産業省通商政策局長が臨席。李氏は、「グローバルな経済環境が急変するなか、カーボンニュートラルの実現など地球規模課題への対応、バッテリー、デジタルなどの新産業分野での連携強化など、日韓経済協力を進めていきたい」と発言。松尾氏は、「自由貿易体制が限界を露呈する今こそ、同じ価値観を持つ日韓の協力が必要である。半導体等に加え、国際的な枠組みで日韓が主導的役割を果たすことができる」として、二国間協力の高い潜在性を指摘した。
続いて、両国の企業人による発表が行われた。主な論点として、(1)日韓は、共通の利益に結び付くグローバルサプライチェーン構築においてベストパートナーである(2)日韓が直面する社会課題に向き合うことで、アジアの持続可能な社会の実現に貢献できる(3)日韓相互の信頼の構築・維持のため、さまざまな交流を継続していくことが重要である――ことが示された。
■ 共同事業について議論~第1回日韓・韓日未来パートナーシップ基金運営委員会
2023年3月、経団連と全経連は、「日韓・韓日未来パートナーシップ基金」の設立を公表した。両国の経済人から構成される同基金運営委員会の第1回会合では、日韓双方から共同事業を提案のうえで議論した。その結果、今後は、若手人材の交流や経済安全保障、スタートアップ連携などの産業協力を実施していくことで合意した。
【国際協力本部】